民主党にとって、厳しい状況下での選挙が始まろうとしている。それは大臣クラスの議員にとっても変わらない。
新設大学の認可をめぐってお騒がせの田中真紀子文科相も、崖っぷちに追い込まれているという。地元新潟5区の情勢は今のところ、旧山古志村の元村長で自民現職の長島忠美氏(61)が優勢だ。真紀子氏を長く支援してきた地元市議が声を潜めて語る。
「角栄さんのころから田中家に良くしてもらい、恩返しだと応援してきましたが、もう限界です。負けるのを見るのがつらいから、出ないでほしい。私も真紀子さんに合わせて自民党をやめて民主党に入ったけど、民主党の考え方にはついていけなかった。今は長島さんを応援しています」
真紀子氏は2003年に自民党を離党した後は無所属を通していたが、09年の衆院選直前に夫直紀氏とともに民主党に「電撃入党」を果たした。その反動がジワジワと足元を揺るがしているようで、自民党系の別の市議の意見も辛辣(しんらつ)だ。
「小千谷市の真紀子会のメンバーも次々とやめて、自民党に戻ってますよ。真紀子さんは人の悪口ばかりで、ろくに地元に帰らない。昨夏の豪雨で犠牲者が出たときも、長島さんはいち早く現場に来て遺族に温かい言葉をかけてくれたけど、真紀子さんは来なかった。旦那さんも頼りないし、いい加減に地元の人たちも分かってもらわないと、新潟5区の良識が問われますよ」
栄華を極めた「田中王国」の威光も、かなり弱っているという。
※週刊朝日 2012年11月30日号