

2019年12月に刊行され、800ページを超える分量でありながら早くもベストセラーとなった『世界標準の経営理論』を手掛けた気鋭の経営学者・入山章栄は、2019年10月から文化放送にて『浜松町Innovation Culture Cafe』というラジオ番組で、毎週火曜日19時からメインパーソナリティを務めている。文化放送といえば声優がパーソナリティとなってアニメやゲームなどについてトークする“アニラジ”の牙城だ。
『浜松町Innovation Culture Cafe』はビジネスパーソン向け情報番組だが、入山がマンガ・アニメを熱く語るコーナーもあり、著作での俯瞰的で理路整然とした記述とはまた違った一面を知ることができる。周囲からの評価も高く、当初は半年限りの放送予定だったが、2020年4月からは土曜夕方6時の時間帯に移動し、放送継続が決定している。
入山のなかでマンガやアニメ好きの部分と世界最先端の経営理論の研究者・紹介者という部分とは、いったいどうつながっているのだろうか?
■幼い頃からマンガ、ゲーム、ラジオ漬け
入山は小さいころからマンガが大好きだったという。幼少期に「コロコロコミック」が創刊されて『ドラえもん』や『ゲームセンターあらし』にハマリ、亡くなった祖母が遺した手塚治虫の『火の鳥』『メトロポリス』を愛読。小学校中高学年のときにガンプラブームが到来して『プラモ狂四郎』に熱中。「週刊少年ジャンプ」は部数が右肩上がりの時代でもちろん欠かさず読んだ。ゲームもゲームウォッチに始まりファミコン、スーパーファミコンと自然に触れてきた世代だ。
「マンガ以外の本も好きで、図書館で『ズッコケ3人組』や江戸川乱歩の明智小五郎ものを借りて片っ端から読んでいました」
今に至るまでのこうした趣味が長じて、入山は2018年2月13日の『ワールドビジネスサテライト』出演時に「経済が学べる・仕事に役立つマンガベスト5」を発表。第1位を『キングダム』として「ベンチャー経営者のバイブル」と評したのを観た作者の原泰久が御礼に入山にサインを贈る、といった出来事もあった。