PTAの正体(C)2コマでPTAを叫ぶ母/イラスト:いらすとや
PTAの正体(C)2コマでPTAを叫ぶ母/イラスト:いらすとや
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 PTA活動はなぜ強制参加? 非効率すぎ、変えられない・変わらない……そんなPTA問題の核心をズバリ表現する「2コマでPTAを叫ぶ母」さんのマンガを題材に、PTA問題に詳しいライター大塚玲子が解説します。第3回は「イベント動員」について。

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「次回〇〇委員会の集まりは、火曜の10時からです。皆さん、必ず出席してください!」と活動を強制されて泣くのは、PTAの末端にいる母たちばかりと思われがちですが、じつはPTAの中枢にいる本部役員の人たちも、たびたび同じような経験をしているのをご存知でしょうか。

 役員さんたちは、行政やP連(自治体ごとにつくられるPTAのネットワーク組織)など、学校外で開催されるイベントや講演会に動員されることがよくあるのです。このような動員要請は地域によって頻度がかなり異なり、ないところは全然ないし、多いところはめちゃめちゃ多いという印象です。なかには、役員さんだけでは対応しきれず、「外からの動員要請にこたえる専門委員会」が設けられているPTAもあるほど。

 たとえば、市が開催する人権講演会のとき、P連やPTAに寄せられる参加要請。おそらく、講演会を主催する人権課の職員に「参加は必須(強制)ですか?」と尋ねれば、「いえ、そんなことはありませんよ」と答えるのですが、間に入った教育委員会やP連が「各校〇名来てください」などと人数を割り当てるため、従わざるを得ない雰囲気になりがちです。

 P連が主催するイベントも同様です。「PTA役員研修会」などでもよく「各校〇名」という割り当てが生じます。こういったイベントは、少なくともカタチ上は「保護者が勝手にやっていること」ですが、これもやはり「上からの指示」という無意識が働いて、動員要請を断りづらい雰囲気に。役員さんたちは、ここでも時間と労力をとられていることがあります。

 しかもP連のイベントは、会の企画から準備、開催も自分たちで行いつつ、且つ動員を要請して出席するのも自分たち、という「自作自演」になりがちです。傍から見たら、「本人の希望で参加する人がいないイベントなど、最初からおよしなさいよ」と思うのですが、P連の事業は「去年通りにやる」ことが最優先であるため、みんな溜息をつきながらも、毎年続けてしまうのです。

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「じつは断れるんだって!」