「実際の乳房に近い状態に再建できる自家組織による再建が増えるかもしれません。しかし、技術的に難しいので、病院の経験数を確認することをおすすめします」(林医師)
■セカンドオピニオンをとるべきケース
がんとその周囲を部分的に切除して、乳房をできるだけ残す「乳房温存術(部分切除)」と乳房全体を切除する「乳房切除術(全摘)」。どちらにするかはがんの大きさや広がり、位置などによって決まる。
さらに「できるだけ自分の乳房を残したい」「再発が怖いから全摘したい」など、患者の希望もある。
「十分な説明がなく、どちらか一方の選択肢しか提示されないで、説明に納得がいかないといった場合はセカンドオピニオンをおすすめします。ただし当院に実際にセカンドオピニオンで来られる方で多いのは、主治医とのコミュニケーション不足。疑問や不安があれば、まずは主治医によく聞くようにしてください」(同)
乳がんの薬物療法は、抗がん剤、ホルモン剤、分子標的薬の3種類をサブタイプによって単独、もしくは組み合わせて使用する。ホルモン剤や抗がん剤を単独で使用する場合と抗がん剤と分子標的薬を組み合わせる場合がある。抗がん剤は副作用が最も出やすい。医師によって判断が分かれる場合もあるので、不安があればセカンドオピニオンを聞きたい。
≪セカンドオピニオンをとるべきケース≫
・全摘か部分切除かを迷う場合
部分切除は再発のリスクを高めることなく、満足のいく整容性を保つことが条件となる。十分な説明がなく、全摘か部分切除か、どちらか一方しか提示されない場合は、セカンドオピニオンを。
・将来妊娠を望んでいるのに妊娠できないと言われた場合
抗がん剤によって卵巣がダメージを受け、無月経になると、妊娠できなくなる。妊娠に備えて卵子や受精卵、卵巣を凍結保存できる病院では、妊娠の可能性を残せる。
■ランキングの読み方と病院選び
「手術数が多いということは、乳腺専門の外科医、腫瘍内科医、再建を専門とする形成外科医がそろっていると考えられます。このため手術数はある程度、病院選びの目安になると思います」(林医師)