再生数13億回のママYouTuber「宮迫さんと江頭2：50さんの違い」

　まず、企画の違いです。　

　
　宮迫さんは、人気YouTuberや著名人とコラボしたり、“YouTuberがやりそうな企画”を多く行っています。明確な芯の部分がなく、内容が散漫なので、さまざまな企画をしながらYouTubeでのキャラクターや立ち位置を探っている状態だと思われます。

　江頭さんの場合は、動画を見ていただければわかると思いますが、「エガちゃんにしかできない企画」をしています。彼の世界観や芸風の全てを注いでいるので、他の追随を許しません。圧倒的に個性的で、“江頭さんらしい企画”をしているのです。

“他のYouTuberがしていそうな企画”をしている宮迫さんと、“エガちゃんにしかできない企画”をする江頭さん、この部分が大きな違いです。

　次に、YouTubeに取り組む姿勢です。宮迫さんのチャンネルは、テレビ復帰を前提とした制作で、ご本人も「本領はYouTubeではなくテレビ」という姿勢です。江頭さんは、伝説を作ることを目的とした制作であり、「死ぬのがバカバカしくなる」ような面白い動画を作る姿勢です。非常に彼らしい、熱い言葉をYouTubeの視聴者に向けて発信しています。この姿勢の違いも大きいです。やはり演者の熱意や情熱は視聴者にも伝わりますし、動画の質にも関係します。演者が熱心に取り組むと、周りを巻き込んでいくので、スタッフの方々にもテンションが伝わっていきます。これはYouTubeに限った話ではありません。

　私もかつて動画の制作を手伝うスタッフを何人か入れましたが、YouTubeに対して情熱を持たない人はすぐに外しました。撮影時のスタッフのテンションは、必ず動画の質に影響するからです。

　江頭さんの動画を見ると、江頭さんを含めてスタッフの方々が本当に熱心に動画に取り組んでいる様子が見て取れます。視聴者を笑わせることに全力で、本気なのです。だから人の心を動かして再生されます。

　宮迫さんのチャンネルは、企画にも迷いがある上に、宮迫さん自身もやや元気がありません。演者としては本当に一流の方なので、本気でYouTubeに取り組めば良い結果が出せる人物です。「テレビに復帰したい」という気持ちよりも「今チャンネルを見てる視聴者を本気で笑わせる」という気持ちを、もっと引き出せれば、必ず良い方向に向かうはずです。

　こうした両者の違いは、登録者数や再生回数という数字にはっきりと現れました。

　宮迫さんも、テレビに復帰したい気持ちは大いにあるかと思いますが、YouTubeに全力投球して“宮迫さんらしい企画”に取り組めば、宮迫さんにとっても視聴者にとっても素晴らしい動画ができると思います。

　お二人だけでなく、芸能界や他の業界で活躍する方々も、YouTubeというフィールドで真価を発揮することを願います。

◆プロフィール
なーちゃん／二児のママ兼YouTuber。2014年にチャンネルを開設。長男・こうちゃんと出演する動画は子どもから親まで幅広い層から人気を集め、“ファミリー系YouTuber”としてカリスマ的存在に。登録者数214万人、総再生回数13億回を誇る。YouTube Twitter。