その阪神とは対照的に、よく“当たり”を引くというイメージが強い中日には、森繁和氏という特別なルートがあった。中日時代の森氏をよく知るスポーツライターは語る。
「中日を退団した森氏はドミニカ共和国など『モリシゲ・ルート』が有名。森氏が独自で作り上げた中南米ルートだが、ビシエドなど多くの優良助っ人を発掘している。これは森氏本人の目利きや人徳など、さまざまなものがあったから可能になった。また相当な時間もかかっている。すぐに同様のルートを作ろうと思ってできるものではない。だからこそ、今年のオフは森氏と契約したい球団はかなりあったと聞く」
リーグ優勝を飾る上で、強力な助っ人の存在は必要不可欠だ。たまたま当たりを引くようなラッキーに頼るのではなく、長期的スパンに基づいた土台作りをしていかなければ、阪神の“くじ運”はいつまでたっても変わらないだろう。