「編成主導での外国人獲得は時間がかかる場合が多い。そのため組織が変わって調査などの動きが止まったりして、うまくいかないこともある。特に親会社関連からの出向などで編成担当者が球団に来た場合はそれが多い。昨年の巨人などはその最たる例です」
巨人は海外スカウト活動の責任者として、編成本部次長兼国際部長に親会社のグループ企業・読売テレビ出身の春川正明氏を登用。選手の露出などには抜群の実力を発揮したようだが、補強に関しては経験不足が否めなかった。1年で退任となったのも納得である。
一方、代理人主導の場合は、彼らの売り込んできた選手から選び、数試合の現地視察を経て契約となる場合が多い。球団はほとんど何もせずに外国人を探すことができる。しかし、実際にじっくりと見て獲得したわけではないからハズレを引くことも多く、いわゆる“悪徳代理人”にだまされるケースも少なくない。
「これまで阪神は独自ルートをほとんど持っていなかった。だから戦力的に困った時に代理人に頼らざるを得なかったため、『欠陥品』を掴まされることが多かった。これからはフロント主導で、しっかりと選手の掘り起こしをやった方がいい。日本人の若手で良い選手が出てきているので、その間に外国人補強にも強くなれば、黄金期到来も夢ではない」。前出の球界関係者は阪神についてこう話す。