国が人の行き来を止めることもせず、もし流行してしまったら「いやいや、島国だから対策できたはずでしょ」ってことにならないか。もちろん、経済的には大打撃だし、外交に影響するかもしれないけど、一方で病気の治療や撲滅のために医師や研究者などの専門家を派遣したり、ノウハウを伝えたり、中国政府と協力してできることはあると思うんですよね。そういう支援と協力はしつつ、止めるものは止めるという判断をしないと、不安だけが膨らんで差別も起こってくるんじゃないかと心配です。

 僕は週末に関西へ行っていましたが、関東よりもマスク率が高いなと感じました。やっぱりインバウンドで中国からの旅行者がいっぱい来ている地域だし、みんなその事実を知っているからマスクを買うんでしょう。想像でしかないけど、中国の人が横にいたりすると「あっ」と思うかもしれないし、口には出さなくても不安が広がったりしているんじゃないかと感じました。

 専門家によると、致死率とか感染力はそんなに高くないんじゃないかとも言われていますが、それがハッキリわかるまででも一旦ストップするほうが良くないですか?と僕は思います。

 あとは、日本への帰国希望者をチャーター機で迎えに行ったまではいいんだけど、帰国してからのケアも全然足りなかったですよね。オリンピックも想定して、そのあたりのことをもうちょっと考えていかないといけないと思います。例えば、成田空港や関西空港などの大きな空港の近くに、医療設備が整った宿泊施設が必要なのかもしれないですよね。もしものときの備えで、税金の無駄遣いって言われるかもしれないけど、感染症や外国から紛争で帰ってきた人、災害時のためにも治療もできるハコモノを持っていたほうがいいんじゃないかとも思いました。

 今回のことでわかったのは、日本人は良くも悪くも中国のことをナメているんじゃないかということ。このコラムでも以前、テクノロジーの分野について「中国や台湾に遅れ始めている」と書きましたが、今や日本企業が中国企業を頼る時代です。スマートフォン関連の製品だって、HUAWEI(ファーウェイ)の技術がないと成り立たなくなっている。申し訳ないけど完全に負けています。そういうことを知らない人も多い。

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「中国マネーの影響力も日本人はナメている」