定年後も働くことが豊かな人生を送る秘訣になりつつあります。現在発売中の週刊朝日MOOK『定年後のお金と暮らし2020』では、実際に新しい働き方を選択した人たちを取材。
前回の記事「あなたもマネできる! 再就職とガイドほか<3足のわらじ>で定年後に月10万円稼ぐ」に続き、今回は、泊めたい人と泊まりたい人を仲介するアメリカ発のサービス・Airbnbで、諸外国からゲストとの交流を楽しみながら稼いでいる人のお話です。
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大手ゼネコンを定年退職して2019年の3月まで別の会社に勤めていた釜石裕光さん(71)は、15年からAirbnbを通じ、自宅の2階を民泊施設として貸し出しています。
妻はすでに他界し、子どもたちも独立したため、アパートとして空いた隣の部屋を貸そうと思ったのが始まりでした。
「テキサス出身の女性が入居することになり、子どもたちが遊びに来た際に一緒に庭でバーベキューを楽しんだりして交流が深まりました。彼女から自分の友人を宿泊させてほしいと頼まれたとき、『それなら民泊を始めよう!』と思い立ちました」
さっそくゼネコン時代の経験を生かして改装のアイデアを固め、工務店に施工を依頼。
「キッチンなどをさらに改良し、ゲスト(宿泊者)専用のシャワールームなども新設しました」
■宿泊者と密に交流し、リピーターも非常に多い
釜石さんは、民泊客とも積極的にコミュニケーションを交わします。それが高評価となり、千客万来でリピート率も極めて高くなっています。
しかし意外なことに、釜石さんは語学に堪能というわけではないそうです。
「中学生レベルの英語ですが、それでも意外と通じるものです。英語を話せない中国人が宿泊した場合も、お互いに翻訳アプリを駆使しています」
中でも特に印象に残るのは、フランス人の青年です。
「彼は4回もわが家に宿泊してくれました。彼は日本のことも好きなのですが、実はフランスの大学に留学していた日本の女性に会うために来日したようです。最近思いがかない、彼女として紹介してくれました。カップルになれたので、私もホッとしています(笑)」
民泊運営は自分のプライベートの時間も調整しやすく、友人と旅行やゴルフを楽しむ時間も確保できます。また、釜石さんの家が彼らとの集いのスペースにもなっているそうです。