浅沼晋太郎(撮影/写真部・高野楓菜)(ヘアメイク/中元美佳、スタイリスト/ヨシダミホ)
浅沼晋太郎(撮影/写真部・高野楓菜)(ヘアメイク/中元美佳、スタイリスト/ヨシダミホ)
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1月10日発売、1st写真集『POPCORN』より (C)Independent Works,Inc/fortunerest,Inc
1月10日発売、1st写真集『POPCORN』より (C)Independent Works,Inc/fortunerest,Inc

 彼は何者なんだろう?

【写真集に収められなかった未公開ショットをお蔵出し】

 あるときはヤクザのラッパー、またあるときは、四畳半暮らしの自意識過剰な大学生。伝説のヒーローも、思慮深い正義漢の少年も違和感なく演じ分け、作品の描き出す世界に寄り添う。実力と人気を兼ね備えた声優・浅沼晋太郎(43)。この1月には初の写真集を刊行するなど、ジャンルを飛び越えた活躍に今もっとも注目を集めている“男”である。ところが、当人は「爪痕を残すより、まぎれ込みたい」と言って笑みを浮かべる。

 彼の正体は一体……?

 声優・浅沼晋太郎の真髄に迫った3回連続のインタビューをお届けする。

*  *  *

■オンリーワンじゃない遅咲きの「闘い方」

「みんなで作っている作品を、一部であっても自分の色に染めたくないと思ってしまうんですよ、たとえ主役でも。キャラクターではない、浅沼晋太郎というフィルターを通して作品を見てほしくない。エンドロールを見て初めて『ああこれ、浅沼晋太郎というやつがやっていたんだ』と知ってもらいたいんです」

 声優にとって最大の武器となるはずの声について、浅沼晋太郎は意外な分析をする。

「僕はオンリーワンの声を持っていないんです。杉田智和さんだったり石田彰さんのような、1度聞いたらあの人だとわかるような声を持ち合わせていないんです。しかも、この世界に入るまで声優や演技の勉強をしてきたわけでもない。そんな僕にどういう闘い方があるかと思ったときに、上手い下手は別として、とにかくどんな役でもやります、やれます、というスタンスでいようと思ったんです」

■実家に帰って芝居とは関係ない仕事をしようかと

 声優デビューは30歳。若手がひしめく業界の中ではスロースタートと言える年齢だ。

「声優になりたいとか、役がもらえるだなんて全く思っていませんでした。主宰していた劇団が解散せざるを得なくなって自暴自棄になり、地元に帰って、芝居とは関係のない仕事をしようと考えていました」

 ところが、脚本家として関わったことのあるキャスティング会社の誘いでオーディションを受けたところ、合格の知らせが届く。声優未経験にもかかわらず「ゼーガペイン」の主人公、ソゴル・キョウ役に抜擢された。

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アニメファンから受けた洗礼