大塚氏はその後もヒットを連発。貨物線ツアーはこれまでに計22回行い、いずれもほとんど満席に。その他にもお座敷列車で東京―名古屋間を走るツアーや、1両のみ動態保存されていた東武線の代名詞「東武セイジクリーム」の車両で巡るツアーなどを開催。評判が評判を呼び、企画者の名前を聞きつけて、鉄道会社から企画を持ちかけられるまでになった。大塚氏が企画したツアー参加動員数は増え続け、17年上期は254人だったのに対し、19年上期には1,900人以上まで伸びた。優れた鉄道ツアー商品を表彰する「鉄旅オブザイヤー2017」や、海外旅行・国内旅行で最も優れた企画旅行を表彰する「ツアーグランプリ2018」において部門グランプリを獲得するまでになった。

 鉄道旅行業界で不動の地位を築いた大塚氏だが、自らを突き動かすものは変わっていない。

「鉄道会社の垣根を超えて、普通ならお金を払っても乗れないような“レア企画”を出し続けたいですね」

 12月15日にはお座敷列車「華」に乗る館山応援企画で、都内から日帰り旅行が楽しめるツアーを企画している。今後も、大塚氏が送り出す“作品”から目が離せない。(AERA dot.編集部/井上啓太)

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