田村耕太郎さん
田村耕太郎さん
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行列から飛び出せば、アホが気にならなくなる?(※写真はイメージ)
行列から飛び出せば、アホが気にならなくなる?(※写真はイメージ)

「アホとは戦うな。時間の無駄である」と提唱する、元政治家であり、現在はシンガポール・リークアンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎さん。しかし、シリーズ75万部を突破した著書『頭に来てもアホとは戦うな!』の読者からは、「それでも戦ってしまう……」と多くの悩みの声が寄せられているという。

 日々の仕事・暮らしの中で「アホ」に悩んでいるあなたに、ちょっとでも気持ちが楽になるヒントを田村さんが提案する連載「アホから解放される相談室」。今回は「人生の目的がありません」というお悩みについて。

*  *  *

【相談】
 本も読んだうえ、どうしても府に落ちない点があります。田村さんは、「アホではなく、自分の人生の目的に集中しよう」とおっしゃいます。けれど、私には「人生の目的」といえるような、大それた物はありません。

 小さい頃から特に夢もなく、現在の仕事もたまたま内定をもらったから就いているだけです。趣味や友人との飲み会は楽しみだったりしますが、ようはそれだけです。

 やりがいのようなものはなくはないのですが、働かずにすむのなら働きたくない。それが正直なところです。

 そもそも私にはやりたいことがありません。夢とかもないです。正直、それが同世代の大部分だとも思います。

 アホが気にならなくならないくらいの「人生の目的」はどうしたら見つけられるのでしょうか。仮に、「人生の目的」がすぐに見つからなかったとして、たとえやりたくない仕事でも全力投球できる人のマインドはどうなっているのでしょうか?

■「快適な場所」から敢えて飛び出してみよう

 そもそも人生の目的に「ちっぽけ」も「大それた」もありません。「絶対に見つけろ」「それがあるべきだ」とも思いません。

 ただ、あなたが死ぬ直前のことを思い浮かべてみてください。その瞬間にそれでよかったと思える人生を生きていたらそれで充分素晴らしいことです。

 本を読んですべてに納得してほしいとも思いません。私の本に限らず、世にある期待に添って生きる人生もお勧めしません。

 私が思い直したのは、政治家を辞めたあたりのときです。

 自分の死を思い浮かべた時、「他人の人生」を生きている、「他人の期待に応えようとするだけの人生だった」というところに残念な気持ちになりました。それは同調圧力のもとで教育され、そういう人ばかりが周りにいたのが理由だったと思います。

 でもそれでも死ぬときに幸せだと思えるのなら、それでいいかもしれません。それはご自分で判断してください。

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「自分の人生を生きよう」と自分と向き合えた理由