阪神・矢野監督 (c)朝日新聞社
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 5日、プロ野球ファンが待ち焦がれたクライマックスシリーズがいよいよ開催される。セ・リーグは、ファーストステージでDeNAと阪神が激突。本拠地で戦える2位のDeNAが優位だと思われがちだが、そうとも限らない。今シーズンの対戦成績は、16勝8敗と阪神が大きく勝ち越し、横浜スタジアムでの対戦も8勝4敗だ。

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 阪神の今シーズンのチーム防御率は3.46と12球団トップ。DeNA戦に関しては2.46とセ・リーグ5球団の中で最も抑え込んでいる。

 特に目を見張る活躍をみせているのが藤川球児、島本浩也、ピアース・ジョンソン、岩崎優のリリーフ陣だ。

 4人の今シーズンの防御率は、藤川が1.77、島本が1.67、ジョンソンが1.38、岩崎が1.01と安定感抜群。これだけでも凄まじい活躍だが、DeNA戦になるとジョンソンは1.13、島本は0.63、藤川と岩崎に関しては驚異の0.00まで数字が下がる。ちなみに島本は、DeNAの主砲・筒香に対し、通算で11打数0安打とヒットを1本も許していない。今シーズンも5打数0安打とことごとくチャンスで抑え込んできた。

 シーズン終盤の8月以降、DeNA戦は6勝1敗。試合終盤になりリリーフ陣が出てくるとDeNA打線はもうお手上げ状態だった。

 対するDeNAリリーフ陣の阪神戦の防御率は、エスコバーが4.91、三島一輝は7.45、パットンは4.76とパッとせず、違いはあきらか。DeNAは阪神リリーフ陣が出てくる前に、ある程度の点差を確保しておきたいところだが、自慢の打撃陣も阪神戦では影をひそめている。

 DeNAの中軸であるソト、ロペス、宮崎、筒香は、全員が阪神戦打率2割台とそこまで良い数字を残せていない。特に宮崎は.240、ロペスは.221だ。ソト、筒香に関しては.290超えとまずまずだが、ソトは阪神戦の打点がわずか6しかない。今シーズン打点108でタイトルを獲得したバッターとは思えない寂しい数字で、チャンスをまったくいかせていないことが分かる。

 対して阪神の中軸のDeNA戦打率を見てみると、福留孝介が.311、大山悠輔が.304、マルテが.327、ルーキーの木浪聖也が.314と高打率をしっかり残している。

 さらにDeNAはシーズン終盤に連敗が続き、いまひとつ波に乗れないままクライマックスシリーズを迎えることになるが、阪神は負ければクライマックスシリーズ進出が断たれる状況から6連勝を飾り、チームとして勢いがあるのも大きい。

 1戦目の先発には、DeNAは石田健大、阪神はDeNA戦防御率1.88の西勇輝が抜擢された。阪神はレジェンド・鳥谷敬の退団も決まっており、最後の花道を飾れるかも注目される。阪神の下剋上はなるのか、期待したいところだ。(AERA dot.編集部・岡本直也)