引退説が囁かれ始めたタモリ (c)朝日新聞社
引退説が囁かれ始めたタモリ (c)朝日新聞社
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 テレビ朝日の名物音楽番組「ミュージックステーション(Mステ)」が開始から34年目にして初めて番組枠が変更されると発表され、世間がザワついている。これまで毎週金曜日8時からの放送だったが、10月からは金曜21時スタートに変更される。このタイミングでなぜ変更なのか。事情を知る放送作家はこう証言する。

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「テレビ朝日はドラマでは高視聴率をとって健闘していますが、実はそれを支える視聴者の多くは高齢者なんです。この層はCMが購買に結びつかず、実は広告的には苦しいという面もある。そんな中で『Mステ』はまだ若い層に訴求できる大事な番組。しかし視聴率の変遷を見てみると特番を除くと、通常放送は6%台もあるなど芳しくないんです。そこで放送時間を遅くして、若者を取り込もうということだと思います。一方で、最近では懐メロの掘り起こし企画やバラエティー番組のような企画も増え、新しい曲を生放送でみせるという従来のコンセプトから離れているようにも見えます」

 一方で放送時間の変更によって、司会を務めるタモリ(74)の引退説が一部で巻き起こっているというのだ。

「30年以上続く長寿番組を続けてきたタモリさんですが、すでに74歳です。同年代の大物芸能人にはすでに引退している人も多い中で、バラエティーの顔としてなかなか引退できていない。先日、ソニー生命保険が調査した『シニアが選ぶ人気芸能人』で2位にランクインしていました。9月13日放送の『Mステ』で、放送時間変更を告知する場面も話題になったのですが、タモリさんをみこしに載せようという意志がありありと垣間見えました。やはり高齢者層に対する訴求力は抜群なので、MCのタモリさんは絶対はずせないんでしょうね」(民放バラエティー制作スタッフ)
 
「笑っていいとも!」(フジテレビ)の終盤には、視聴率に固執する番組スタッフとモメていたという、うわさもあるタモリだけに、「Mステ」はこれをなんとか食い止めようと必死ということだろうか。
 
「引き留めでもいずれ引退する時は必ず来ます。私は数年以内に引退すると見ています。例えばタモリさんは4月に、これまでライフワークとして続けてきた、自らの名前を冠したヨットレースの大会『タモリカップ』を終了すると発表しました。数年前に持っていたヨットやモーターボートもすでに処分しています。仕事や活動を整理が始めており、終活に向けて動きだしたのかもしれません。9月には、出版社のPR誌にタモリさんが愛してやまないジャズに関する論評も掲載されました。村上春樹さんが和訳を担当した『スタン・ゲッツ 音楽を生きる』(新潮社)の書評だったのですが、これがまたタモリさんらしい含蓄とウイットな言い回しを載せてあり、素晴らしい文章でした。趣味の音楽をじっくり聞く時間がさらにほしいのかもしれませんし、そうなるとテレビでの活動は更に絞られていくでしょう」(民放バラエティー制作スタッフ)

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ジャズ評に書かれたタモリの素直な気持ち