それはあんまりだから、今は水で冷やしながらロボット開発とか技術の進歩を待ちましょうということになっているわけです。事故で溶けて固まった核燃料をデブリと言いますが、デブリは家のホコリみたいに、原子炉内のいたるところに大小細かく入っているわけですよ。それを除去するロボットの開発なんて、こないだやっと中をちょっと覗けました、アームでちょっとデブリに触れましたっていうぐらいのレベルです。すべて取り除くなんて、いつになるのか……。本音を言うと、本当に可能なのかすらわからない。対処方法は今のところ、水しかないんですよ。そして毎日膨大に出る汚染水をどうするか?という話です。
ネットでの意見はどれも極端。もしタンクに溜まっている水を海に流すとなると、もう一度、ALPS(アルプス)という設備で処理してトリチウム以外の放射性物質を取り除くと東電は言っているんですが、それを陰謀だとか、竹山は大手広告会社と政府に金をもらってるとか、政権寄りの芸人だとか、ネトウヨだ、パヨクだ、どっちつかずだとか言われています。おのおのの思想は自由ですが、僕は現実をどうするかを考えないといけない、タイムリミットが迫っていると言っているんです。嫌だ嫌だ、ダメだダメだと言っても目の前の切羽詰まった問題は解決できませんから。
原発を話題にするだけで、ここまでみんなが騒ぐ理由の一つは、東電という会社への不信感ですよね。その最大の原因は、原子炉建屋が水素爆発をしたときに重要な情報を隠したことです。あのとき相当の放射性物質が出ています。なぜ隠したんだ、これはやばいぞというジャーナリズムの声や世論もあり、東電は情報を出すようになるんだけど、今現在の東電の体制がどうなっているかという点は、冷静に判断しないといけないと僕はいつも思っています。
東電という大きな会社と日本という豊かな国じゃなかったら、あの原発は今現在はもっとやばいことになっていたと思う。技術と金も使って、なんとか抑え込んでいる状態ですから。これがいい加減な会社といい加減な国だったら、もっともっと漏れていたはずです。検証なんかできないことですが。