「ごっつ~」をやってた当時の松本は血気盛んで、同じような問題がいくつもあり、業界内でもよく噂になっていたという。1995年といえば、松本は「遺書」で250万部の大ベストセラーを放っていた頃。相手がさんまだとはいえ、さすがに当時の吉本上層部も松本の言うがままだったのだろう。
業界では公然の事実として知られていたさんまと松本の不仲説。松本自身も現在放送中のレギュラー番組「ダウンタウンなう」で、ゲストの出川哲朗にさんまとの関係を尋ねられた際、「(さんまさんは)俺にはちゃんとからんでくれない」と寂しげに語る一幕もあった。
「松本さんはああ見えて礼儀正しい人ですから、さんまさんを先輩としてちゃんと敬意を持ってはいます。“お笑い怪獣”と形容されるようにブルドーザーの如くすべてをなぎ倒していくスタイルのさんまさんと、どんな番組でも緻密な笑いを構築する松本さんでは芸人としてのスタイルが違いすぎるため、松本さんは先輩を立てて『俺にはちゃんと絡んでくれない』というコメントになったのではないでしょうか。実際、松本さんとさんまさんの共演は極めて少ないのですが、それは吉本上層部やテレビ局の忖度もあったのではないかと思います」(前出のディレクター)
■宮迫はどちらを選ぶのか
とはいえ、今田耕司や宮迫博之など、“松本チルドレン”と言われ続けてきた人気芸人とさんまが共演することはたしかに多い。在阪の某放送作家は次のように語る。
「松本さんは大阪時代からともに笑いを作ってきた今田さんや、東京に出てきたけどまったく仕事がなかった宮迫さんに数々のチャンスを与え、彼らを売れっ子芸人まで引き上げたという自負は強いはず。だから、さんまさんが自身の番組のレギュラーとして今田さんや宮迫さんを今でもキャスティングしたがることについて、『横取りすんな』という思いが絶対あると思います。その点において、松本さんとさんまさんの足並みがそろうことはまずない。しかし、今は吉本興業存続の危機にまで話が及んでいるし、岡本社長にパワハラまで受けた宮迫さんが不憫なため共闘することになった、という感じではないでしょうか。ただ、先日の記者会見で『引退は考えてない』とコメントしていた宮迫さんがもしこのまま吉本をやめてしまったら、さんまさんを選ぶか松本さんを選ぶかで、また新たな火種が起こりそうな気もしますが……」