『戯伝写楽』開幕しました。
今日が初日だったのですが、外部公演に脚本を提供するのは、随分と久しぶり。どうなることかと緊張してました。
新感線公演だと、やはりベースに劇団のファンのお客さんがいます。ある程度、「こういうものだろう」と予測もしている。それに比べて、こういうプロデュース公演は、キャストもスタッフも混成軍。
今回の主演の橋本さとしくんは、元は新感線に在籍していたとは言え、今の活動の中心はミュージカル。大和悠河さんは宝塚を退団してからこれが二本目の公演です。観に来てくれるお客さんも、キャストに惹かれてくる方達がメインでしょうから、宝塚ファンやミュージカルファンなど、僕の作風を知らない人達が主だと考えた方がいいでしょう。
ロビーにいてもなんとなくアウェー感が強い。
初日と言うことでキャストも緊張していたし、お客さんも緊張していたようで、お互い探り合いながら一幕は終わった感じでした。
ただ、二幕に入ってからはドラマが動き出しキャストも感情がのってきて、ドライブ感は出たんじゃないかと思います。
立川智也さんの音楽も素敵です。やっぱり生バンドは面白いですね。
ここから千穐楽までの間に、どこまで化学反応が起きるか、楽しみです。
ところで、この『戯伝写楽』、僕にしては珍しく当て書きではありません。
新感線公演では、キャストが全員決まってから、その役者にあった役を考えて書くというスタイルをとっているのですが、今回は橋本さとしくんが斉藤十郎兵衛役かもしれないというくらいで、あとは全く白紙の状態で台本を書きました。
でも、意外と、各登場人物が勝手に動いてくれた。
歌麿なんかは最初に思っていたよりは、はるかに面白い役になった。
なぜなんだろうなと考えていたのですが、ある日思い至りました。
登場人物の大半は実在した人物。喜多川歌麿、葛飾北斎、十返舎一九、大田南畝、蔦屋重三郎。それぞれキャラが立った有名人です。
その人物達に、「史実とは違うが、こういう性格にしたら面白かろう」とか考えながら、今回の物語の中での役割を与えていく。「橋本じゅんをこういう役にしたら面白かろう」というのと同じ発想の仕方で「喜多川歌麿をこういう性格にしたら面白かろう」と考える。
つまり、歴史上の人物に当て書きしていたのですね。
大きな史実を踏まえながら、人物の解釈で遊んでいく。これが"戯伝"なのです。
このやり方だと、もう少しいろんなことができるかもしれません。
もう一つ、今回のカンパニーの面白いところは、特撮番組経験者が多いことです。
葛山信吾さんは『仮面ライダークウガ』、岸祐二さんは『カーレンジャー』、小西遼生さんは『GARO』、海老澤健次くんは『ゴーオンジャー』。ベテランの山路和弘さんも『仮面ライダー剣』でセミレギュラーでした。
かくいう僕も、特撮番組の脚本を書いてますしね。
その最新作、『仮面ライダーW(ダブル)』の放映日が決まりました。5/2、9の二週。テレビ朝日系列で朝8:00からの予定です。
こちらもよろしくです。