厚労省麻薬取締部を出る田口淳之介被告 (c)朝日新聞社
厚労省麻薬取締部を出る田口淳之介被告 (c)朝日新聞社
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 昨今、芸能界でもさまざまな事件や騒動が起こり、世間の耳目を集めた。中でも大きな話題を集めたのが、人気芸能人の薬物絡みの逮捕だろう。

【麻薬取締部が狙う次のターゲットは?】

 3月には人気テクノユニット「電気グルーヴ」のメンバーで俳優としても活躍しているピエール瀧がコカインを使用したとして麻薬取締法違反容疑で逮捕。人気グループ「KAT―TUN」の元メンバーの田口淳之介が、内縁関係にあった元女優の小嶺麗奈とともに大麻を所持したとして大麻取締法違反の罪で逮捕された。
 
 どちらの逮捕劇も厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部、通称“麻取”によるものだが、人気芸能人の逮捕は違法薬物の取り締まりやルート解明という最大の目的以外にも、組織の存在アピールや薬物犯罪抑止という意味合いも当然あるだろう。

 近年を振り返れば、16年6月に俳優の高知東生が覚せい剤取締法と大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕したのも、同年10月に元女優の高樹沙耶を大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕したのも麻取だ。

 一方、ライバルとされる警視庁組織犯罪対策第5課の方も15年10月に女優の高部あいを麻薬及び向精神薬取締法違反(所持)の疑いで逮捕、16年2月には元プロ野球選手の清原和博氏を覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕しているが、今年に入って麻取が立て続けに芸能人を逮捕し、世間に存在感をアピールしたとなれば、ライバルとして当然捜査にも力が入るだろう。

 2020年には東京五輪の開催を控えており、治安維持や社会の風紀の乱れを正すという広義的な観点からも、近く警視庁による大物著名人の薬物事犯での逮捕があるのではないかと個人的には見ている。

 もちろん、薬物事犯に関しては現行犯逮や尿検査での確固たる証拠ありきの状況が不可欠で、口でいうほど逮捕に至るまでの捜査は簡単なものではないが、あえて予想するなら学生などが長期の休みに入るなど社会全体の風紀が乱れやすい夏休みシーズンには大いに注目している。

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捜査は “点”ではなく“線”