アニメの次の仕事がやっと発表になりました。
『のだめカンタービレ フィナーレ』。テレビアニメ版『のだめ』の最終章のシリーズ構成を務めます。
 
 原作の『のだめカンタービレ』はもう説明の必要がないくらいの大人気コミック。クラシック音楽を題材にした3000万部近い大ヒット作です。
 玉木宏(たまきひろし)・上野樹里(うえのじゅり)主演のテレビドラマも大ヒットし、完結編の映画は東宝系の大作として正月と春に公開されます。
 アニメも、フジテレビ深夜のノイタミナという人気枠で高視聴率をマークしたという、各ジャンルではずれなしのビッグタイトル。
 今回のアニメは1月から3月までの1クール。映画公開の間をつなぐ形になります。
 いわば"のだめフィナーレ一大プロジェクト"。その一端を担っているのですから、責任は重大です。

 僕を知らないのだめファンは、「誰?」って感じでしょうし、知ってる人間は人間で「全然作風違うじゃないか。ロボでもロックでも活劇でもないぞ。大丈夫か、中島」と不安になっていることでしょう。
 まあ、「なんで僕なんですか?」という質問は、最初にオファーが来た時に僕自身聞いたくらいですから、意外な組み合わせなのは間違いないかも。
 ただ、原作は前から好きでしたし、テレビドラマも夢中で観てました。コミック原作のドラマ化では、一、二を争う出来だったんじゃないでしょうか。
 ここは、ファン代表と言うことで、原作のよさをアニメに置き換える作業に集中したいと思っています。
 
 今回は僕のスケジュールの都合で、シリーズ構成という仕事のみの参加です。実際に脚本を書く作業はシナリオライターのみなさんにお願いして、全体の構成を作る作業のみをやるということです。
 これだけしっかりした原作ですので、オリジナル要素を足すのではなく、1クールのアニメの中に、どう原作を入れ込んでいくか、原作全部は入りきれないので、どの分を削っていくかというのが肝になります。
 
 一応僕の方から構成案を出したのですが、最初の打合せの時に原作者の二ノ宮先生のほうから、「え、そこも切っちゃっていいんですか」とこちらが驚くくらい大胆な意見をいただきました。

 参加しているシナリオライターの方達も、他の人気作品でシリーズ構成を担当されるようなベテランの実力者ぞろい。各話に関してこちらの意図を的確に組んでいただいていて、文芸チームはサクサクと仕事が進んでいます。
 いやあ、力のあるオーケストラだと指揮者も楽だなあという気分です。
 まだ半年近く先ではありますが、来年1月からのオンエアを楽しみにして下さい。  
 

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