ひろ:使わないで人生楽しいなら、使わないほうがいいんじゃないかと思いますよ。物事を思い通りにするためにはいろんなやり方があって、結果がついてくればそれでいい。ゲームのように、「必ず槍で戦わなければならない」などという縛りをつける必要はないと思います。僕自身も、日常では論破していないですからね(笑)。必要な状況において可能というだけで。

大:論破は一つのツールに過ぎない、ということですね。しかも取り扱い注意でもあると。

ひろ:アメリカ人やフランス人は意見をぶつけ合うタイプが多いんですが、僕はあの文化が日本に根づくとは思えないんです。日本人はまず「アイツがこう言った」と、発言の内容に人物をひもづけてしまう。

例えば、児童相談所をここにつくってほしくないという意見が出ると、内容ではなく言った人を攻撃したりするんですよね。「お前の家には子どもがいないから、そんなことが言えるんだろう」のように。発言とその人のプライベートな事情は関係ないはずなのに、それを議論に持ち込んで、さらにそれを当然だとみんなが思っている。発言者の人格を持ち出すのはちがうよねって、誰も言わないですよね。

(構成/松田明子)

暮らしとモノ班 for promotion
「集中できる環境」整っていますか?子どもの勉強、テレワークにも役立つ環境づくりのコツ