●後から面白さに気づいたファンが飛びついた
1月-3月クールのドラマが全体的に停滞している。話題作が多く、期待値も高かったが、蓋を開けてみれば初回放送が最高視聴率……という作品が多い。ただし人気作は、2桁の視聴率で推移しているものもあるので、決してつまらない作品が多いのではない。
TVer(在京民放キー局が共同で立ち上げたテレビ番組の無料配信サービス)での視聴もここに来て一般化してきており、視聴スタイルの変化が現れてきていると言えるのかもしれない。
そんな中で、TVerで大健闘している作品がある。トリンドル玲奈(27)主演のドラマ「パーフェクトクライム」(朝日放送系)だ。TVerでの配信では毎回、人気を博しており、業界関係者から注目をされている。800万ダウンロードを突破した同名の電子コミックが原作で、愛読者だった10~20代の女性から支持され、最新話が配信されるたびにランキングで上位に食い込んでいる。
「トリンドルは長らく『ViVi』(講談社)専属モデルを務め、『テラスハウス』(Netflix)でもMCを務めていて、若い女性からの認知度は高い。本作では、そんな彼女の大胆なベッドシーンがあるということで、放送開始前から話題になっていました。現在の地上波ではなかなかセクシーなシーンは放送に限界があるし、居間においてあるテレビだと家族の目があって見づらいですよね(笑)。しかも、在阪テレビ局の制作で深夜帯だとなかなか放送していることにも気が付かない。ドラマ化されていることに後から気がついた視聴者が多いんだと思います。そもそも今の若い人は、テレビは自分の好きなときに好きなものを見る。そういった事情もあって、ネットでの視聴が伸びていると思います」(エンタメ雑誌の編集者)
「パーフェクトクライム」は、インテリアプランナーの社内不倫が、海外から転職してきた敏腕デザイナーの同僚に知られてしまい……というトレンディな要素もある愛憎渦巻く恋愛サスペンス。これまでのかわいいキャラとは少し違った役を演じているトリンドルも、これまでにはない力の入れようだ。
「今回、彼女の実年齢より少し上の役なのですが、可愛いだけじゃないトリンドルが見られると評判を呼んでいます。大胆ベッドシーンに挑戦する……というのがもともとの売りで、普段モデルをやってる本人にとっても違った演技が求められます。おじさん系のネットニュースでは『聞いてた割に脱ぎが甘い』という記事も上がっていましたが、今の若い人は地上波で女性の肌を見るのになれてないですからね。さまざまな反応があるようです」(民放ドラマ制作関係者)