●愛人役演じた「黒い十人の女」がターニングポイント

 モデルとしてデビューしたあとは、女優業よりもバラエティ出演が目立っていたトリンドルだが、近年は別の路線を歩んでいた。

「TBSが制作していたバラエティ番組『リンカーン』(2005~2016年)に出演し、ダウンタウンの浜田雅功さん(55)らに対して、怖気づかず堂々としていたことで話題になり、世間一般からも注目が集まりました。当時はローラさん(28)などのハーフタレントが、“生意気キャラ”で隆盛しつつあった頃。デビュー当時こそそこにうまく便乗していましたが、その後はNHKの『テレビでドイツ語』に出演したり、『テラスハウス』のコメンテーターになったりと、他のハーフタレントとは違った路線で少しずつ今のポジションを築いてきた感があります。所属事務所も、彼女の若い女性人気を武器に、丁寧に育てて来たんだと思います」(前出のエンタメ雑誌編集者)

「テラスハウス」でも、トリンドルはこれまでとは違った大人な意見や顔を見せ始めている。

「17歳でデビューしたトリンドルさんも27歳になり、先日『ViVI』を卒業し、2月からはちょっとお姉さん向けの『with』の専属に移りました。実は最近、『テラスハウス』でセクシーな話題になったときにトリンドルさんが、『わからない』的な発言をしがちなので、一部視聴者から『カマトトぶってる』といった意見も出てしまっているようです(笑)。もともとハーフモデルでありながら、ベビーフェイスで可愛いキャラとして愛されてきましたが、そろそろ違うステージに移る頃合い。このドラマも2年ぶりの主演作とあって、本人の気合もまた違います。肌を見せるので事前にエステに通ったり、メイクをいろいろ試したりと準備に余念がない状態で撮影に臨んでいたそうです」(前出のドラマ制作関係者)

 ドラマウォッチャーの中村裕一氏も、彼女の女優としてのさらなる飛躍に期待を寄せる一人だ。
 
「彼女はこれまでにも映画や深夜ドラマで主演を務めていますが、女優としては、船越英一郎演じるドラマプロデューサーの愛人役を演じた『黒い十人の女』(2016年)がターニングポイントだったと思います。当時、私がインタビューをした際、彼女自身はとても真面目な性格なので不倫に関しては断固否定派でしたが、アラサーとなった今はどう思っているのか非常に興味深いですね。また、昔ほどではないにせよ、地上波ドラマはいまだに世間の注目度が高いですが、一方で、コンプライアンスの問題で表現の幅が狭まっているのも事実です。プレッシャーも比較的少なく、大胆な演技にのびのびチャレンジできる深夜ドラマやネットドラマで演技力と存在感を示せば、ゴールデンタイムの地上波ドラマで主演を務める可能性も充分にあると思います」

 少し前までは、ネットの視聴率は問題外とされてきたのがドラマ業界。年々その重みは増しているなかで、ちょうど新たなステップを踏みたいトリンドルがハマってきたのかもしれない。

(ライター・今市新之介)

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?