前出の大阪拘置所関係者は井上元死刑囚らの最後の日々をこう生々しく証言した。
「刑務官は皆、井上と新実は死刑執行が前提で移送されたとわかっていましたから、すごくピリピリしていました。井上は礼儀正しく、死刑執行が近いとは思えない様子でした。しかし、井上、新実とも日が経つにつれ、顔色は悪くなり、異常に汗をかくなど、精神的に不安定になっていた。しばらくすると、彼らのいる独房には臭気が漂いはじめた。2人とも毎晩のように失禁するようになり、ズボンや布団を頻繁に取替えるようになっていたのです。死刑の恐怖に怯えていたんだと思います。凶悪事件を起こしたとんでもない連中と思っていたが、2人とも普通の人間だったということでしょう。どうして道を間違えてしまったのか、残念でならない」
井上元死刑囚の両親はその意志を継ぎ、同年10月15日、死刑判決は重すぎるとして、東京高裁に再審請求を申し立てている。
(AERAdot.編集部取材班)
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