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さまざまな雑学や知識を披露しながらも、決して嫌味でなく、好感度も高い林修さん。いまではテレビで見ない日はないほどの人気ぶりだ。そんな林さんが朝の情報番組「グッド!モーニング」で担当する5分間のコーナー「ことば検定」は、3年余りにわたり視聴者から「わかりやすい」「雑談のネタになる」と人気を集めている。このたびこの人気コーナーが、『ことば検定【語彙編】』『ことば検定【漢字編】』という2冊の本になって出版された。当たり前のように使っている「ことば」とは? 「ことば」の力をつけるメリットは? 林先生に「ことば」を知る意味について、質問した。
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――そもそも「ことば」の役割とはなんでしょうか?
そうですね、まず言葉というのは、自分の中にある思いを人に伝える道具です。言葉が少ない、つまり語彙力がないと、思いや伝えたいことを正しく表現できませんよね。そうなると、他の人との関わりがうまくいかなくなることもあります。逆に、たくさんの言葉を持っていれば会話が円滑になって、人と関わることが苦ではなくなることもあります。つまり多様な言葉、多様な表現を身につければ、いろんな人々と楽しくコミュニケーションできるようになる、ということなのです。
――日本語には漢字もありますよね。
世界には多くの文字が存在しますが、漢字がほかの文字と決定的に違うのは、「表意文字」である点です。表意文字とは、一つひとつの文字が意味を表している文字。パッと見ただけでなんとなく意味がわかるのは、漢字ならではの特徴で、面白さでもあります。
読みや意味だけでなく、漢字が持つさまざまな背景や成り立ちについても知っていると強みになります。一つひとつの漢字には意味があって、本当に面白く、興味深いんです。例えば魚介の「介」のもともとの意味は? 「父」という字はそもそもどんな人を表している? 「虹」は何に由来しているか?……などなど。そもそものルーツを知ることは、漢字はもちろん、その漢字を使った言葉への理解も深まります。