テレビの仕事も年末や正月の特番には今年活躍した芸人とかタレントがいっぱい出るけど、翌年2月、3月になるとパタっと止まるんですよね。芸人にとっては怖い時期。それは誰が悪いとかじゃなくて「1回けじめです!」っていう、日本人みんなが持ってる感覚からきているんですよね。正月休みが終わって、さあ仕事しようというときに、誰しも「新しいことやろうか」って気持ちになる。だから2018年のスターって言われた人が急に出なくなったりするわけです。

 平成から次の時代に変わった瞬間にも「何か変えようか」って気持ちになって、社会が変わっていくのかなと思いますね。そして、昭和生まれという己の古さがちょと出てくるかなとも感じますね。平成になるときの、大正生まれの人と同じ感覚ってこうだったんだろうか……。そう考えると、昭和という時代がいよいよ歴史の一つになったんだなという気がします。

 昭和天皇が崩御されたというニュースが流れたとき、僕は高校生ぐらいでした。バンドをやっていたのでスタジオで練習したり、ゲーセンで遊んでいたときにニュースを聞いたと思う。容体がどうなるかわからないという時期もあったし、日本全体がどんより曇っていた感じは覚えています。そのころ、うちの奥さんはデパートで働いていたんですが、夜飲みに行ったらトラブルにあうかもしれないっていう噂も出て、飲みにも行っちゃいけない空気だったと言っていましたね。みんな初めてのことだったので、どうやって受け止めていいのかわからないという感じでした。

 振り返ると、平成ってすごく前に進んだ時代でしたよね。平成が始まるときは、パソコンも使えなかったし、スマホなんか頭の中にも無かった。それをいまみんなが手にして、必需品になっているわけじゃないですか。ネットニュースとか、フェイクニュースっていう言葉が出てくるとも思わなかった。自分も時代とともに生きているんだなと感じます。

 次の時代はさらに進化していくんだろうと思います。

 それと同時に心配になるのは、戦争がない時代の“ロングラン”ってどのぐらい続くんだろうってこと。大きな戦が無かったと言われる江戸時代が260年以上あったけど、明治になって外国と戦があり、第二次世界大戦が昭和20年ぐらいに終わる。それからいままで70年ぐらいは戦争が無い。これを江戸時代より長く、日本の歴史上最も長く続けたいなと思うんですよね。

 人類が生まれて、長い歴史の中でどの国もずっと戦争してきて、争い殺し合うということが人間のDNAの中に組み込まれたものなんじゃないかと思うこともあるんですよ。そうじゃないってことが文明の発展によって、できるんだろうかっていう自分の中の疑問であり、新記録ぐらい続けていきたいという希望でもあるんですけど。あと何年ぐらい戦争がない世の中をみんなが作れるんだろうか。それが一番大切なことのような気がするんですよね。自分が心配することじゃないかもしれないけど、次の時代を迎えるにあたって、心配と言えば心配かな。

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