みんなが意外と気付いていないのは、ユーチューバーが一生懸命作っている動画も、流行れば流行るほど大人たちが群がってきて、金銭が絡んで、編集も大変になるってこと。動画に嘘がないと思っているから、これヤラセだ、台本だ、ヤラセだったら大問題だとかすぐ言うんだけど、よくよく考えてみると、やらせで何が悪い! 説明してみろ!と思うわけですよ。ヤラセをやってる演者のほうもものすごい技術がいることもわかってないでしょ。もちろん、どっきりをガチでやる人もいますけど、エンターテインメントはほとんどがヤラセなんだよ。動画もテレビも、俺がやってること以外も。
この構図が何に似てるかというと、AVの問題ですよね。ナンパものとかマッサージ店ものとか、僕らは昔(というか、いまも半分)ガチだと思って見ていたわけです。でも、そんなもんガチでやったら大問題ですよ。犯罪なんだから。
きっとその場には監督もメイクさんもいるだろうし、モノを作るからにはディレクターがいて、お金が絡むからプロデューサーもいるわけです。女優さんも素人のオーディションがあるのかわかりませんけど、事務所とかがあって話が進むんでしょ。ワンカメでずっと撮るわけにはいかないから、一度止めて編集でつないだりするだろうし。世に出すということは万人が見るし、それで傷つくという人もいるし、傷ついたときにどうやって責任取るかも考えなきゃいけない。そういう裏があって成り立っている“ショー”なんですよ。
でも、そこをあやふやにするのがエンターテインメントの世界であって、そこには必死に考えて作っている人がいるわけです。「ヤラセですよ」とも、「こっちはガチですよ」とも言わないですよ。たまにタイトルで「ガチンコ」と打つことはあるけど。テレビも動画も実はそういう世界。それなのに、動画だけはガチだと感じているのは素直すぎて危険だと思うんですよね。
僕も含めてみんな、ネットって自分の時間で自分のほしい情報だけをもらいに行くわけじゃないですか。すごく便利だけど、それだけで自分の知識を固めちゃダメですよね。その情報収集って偏ってないか? 見えていないことが無いか?って考えないと。
まあ、あの後、大和には一回ちゃんと叱って、話しましたよ。僕に文句を言ったからダメだというわけじゃなく、どこがプロとしてダメかとか。その後、大和が「竹山さん相談あるんですけど」って電話かけてきて、何だよって聞いたら「来週もう一回、喧嘩ふっかけてもいいですか?」「面白くなると思うんで」って……。そういうことじゃねえって言ったんですけど(苦笑)。いまだに大和のツイッターで叩いているやつとかいるけど、それに踊らされないで毎週普通に出て、自分なりに勉強しながら楽しむしかないんですよね。