最近、パワハラとかいろいろと問題が出てきているアマチュアスポーツも似たような構図だと思うけど、強い選手がそのまま理事になるのはよくないのかもしれないですよね。運営側はプロの経営者に任せたほうがいいんじゃないか。野球やサッカーにフロントがあるように、相撲も経営陣と選手を分けないと。特に相撲は力の強さで勝負が決まる競技だし、選手が親方になって弟子を取っていく仕組みなんだから、結局、協会はこういう権力争いとか内部の揉め事が続いてしまうんでしょ。

 伝統芸能も、相撲もそういう世界なんだと思うけど、こんなにやんや言われ過ぎてていいのか? 相撲道という“道”の世界を守っていくなら、いまこそ茶番と言われようと何と言われようと、八角理事長が実際に動いて話しに行くべきだったと思う。「サシで話そうぜ、来いよ」って自分で動いてほしかった。

 普通の企業でも、社員に何かあって本当に引き止めたいなら社長が直接話すと思う。そうしないということは、結局辞めさせたいんだろうと感じる人もいるわけです。貴乃花親方だって心意気が見えたら、態度が変わったのかもしれないし、そのまま辞めたかもしれない。それはわからないけど、何よりこんなにスッキリしない感じは残らなかったと思うんですよ。

 それこそ、前に鏡山親方が貴乃花部屋に手紙を持って行ったのを僕は「茶番だ」って言ったけど、あれをいまやるべきだったんですよね。理事長だから立場上行かないとか、そういうのは関係ない。相撲の一時代を作った貴乃花だから、辞めてほしくなかったと思っている人は結構いると思うんですよ。それだったらファンのためにも、理事長にそれやってほしかったですよね。書類の不備がどうとか、そんなことはいいから話してよって思ってる人は意外と多かったと思う。

 野球でいうと長嶋茂雄さんとか、Jリーグのチェアマンだった川淵三郎さんだったら、そうしたと思うんですよ。相撲取りのカッコよさを見せてくれよ!ってことなんです。身体と身体でぶつかり合って勝負していた男たちなんだから。

暮らしとモノ班 for promotion
【Amazonブラックフライデー】11月27日から先行セール開催。2024年の開催日程や目玉商品50選、お得なキャンペーンも紹介!