一度聴くと、メロディが頭の中に入ってしまう。それほどシンプル。二度目を聴くと、サビのリフが頭の中で鳴り続けてしまう。それほど力強い。三度目を聴くと、歌いたくなる。それほど楽しい。ザ・クロマニヨンズが10月10日にリリースする『レインボーサンダー』は、ただただストレートなロックアルバム。録音はモノラルで、1960年代前半のロックンロールを聴いているようだ。
「僕たちは生活サイクルもシンプル。ツアーをやります。ツアーが終わります。楽しかったねえ、ちょっと休もうか、って言って2週間くらい休みます。で、スタジオに入ってレコーディングします。そして、ツアー。それをずっとくり返している。バンド以外の時間はほとんど家から外へはでません。何時間でもステレオセットの前に座って、レコード聴いています。気がつくと朝になっていることもよくあります」(ヴォーカル・甲本ヒロト・以下甲本)
そのサイクルで、曲はどんどん生まれてくるという。
「散歩しているときとか、お風呂に入っているときとか、トイレでしゃがんでいるときとか、曲はぱっとできちゃうよ。頭の中で急にメロディが鳴り始めたり、変な言葉が生まれてきたり」(ギター・真島昌利・以下真島)
2人は表情も変えず、ひょうひょうと語る。こうして生まれた曲は「おやつ」「生きる」「人間ランド」「サンダーボルト」「モノレール」「三年寝た」……など12曲。タイトルもシンプルだ。甲本と真島と仲よく6曲ずつ作詞・作曲を担当している。
「スタジオに入って、こんな曲ができたよ、って僕が1曲聴かせるでしょ。それをメンバー4人で練習する。30分くらいでなんとなくいい感じになってさ、じゃあ次も僕の曲をやるよ、って言ったら大人げないでしょ? だから、次はマーシー(真島)やんなよ、と言う。で、マーシーの曲をやるでしょ。すると、マーシーが次はヒロトだね、って。だからいつも半分ずつです。それである程度カタチになったらレコーディングします」(甲本)