萩大島船団丸代表の坪内知佳さん(撮影/写真部・馬場岳人)
萩大島船団丸代表の坪内知佳さん(撮影/写真部・馬場岳人)
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坪内さんは、ときには漁師ととっくみあいの喧嘩もしたという(撮影/写真部・馬場岳人)
坪内さんは、ときには漁師ととっくみあいの喧嘩もしたという(撮影/写真部・馬場岳人)

 ピンヒールをはいた若い女性と漁師。およそ似つかわしくないこの組み合わせは、彼女が代表としてまとめあげた「萩大島船団丸」(山口県萩市)という漁船団だ。

【ときには漁師ととっくみあいの喧嘩も…】

 その女性は、もともと漁業や漁師、萩市とも、まったく無縁の人間だったという。そんな彼女が、なぜ漁師たちと関わり彼らを束ねることになったのか。

 9月14日、TBS系列で放送された『金スマ』(中居正広の金曜日のスマイルたちへ)で紹介された、彼女の波瀾万丈の物語とは……。

*  *  *

 魚をとった漁師から、消費者に直接届けられる夢のようなしくみをつくりあげた、ピンヒールの女性、坪内知佳(32)さん。

「産直」をうたう業者は多いが、実際は漁業や仲卸業者をへているという。そんな中、朝、日本海でとれたピチピチの魚を、漁船から直接最短8時間で大阪や東京の大消費地に届けるというビジネスモデルを確立している。

 前日の朝とれたばかりの新鮮な萩の魚のボックスが『金スマ』のスタジオに登場。まるでまだ生きているかのような新鮮な魚の箱詰めに、ゲストたちも驚きを隠せない。

 スタジオに届けられたのは1万5000円のボックスだが「市場で買えば5万は確実ですね」という坪内さんの話に一同、感嘆の声をあげる。

 このビジネスモデルは坪内さんと萩大島の漁師たちが日本で初めてつくりあげたものだ。

「萩大島」とは山口県萩市の沖合8キロメートルに浮かぶ小さな離島。

 漁業を中心とする人口700人のこの島に、坪内さんが降り立ったのは2010年1月のこと。23歳のときだった。

 坪内さんの著書『荒くれ漁師をたばねる力』には、なぜ彼女が漁業にかかわることになったのか、その経緯が詳細に記されている。

 坪内さんは福井県の事業家の家に生まれた。漁師とは縁もゆかりもない環境である。

 CAをめざして名古屋の私大の外国語学部に進学。しかし病気になって、大学を中退。21歳のとき萩市に住む男性と結婚するが、離婚シングルマザーとして、再出発を決意したのである。

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転機が訪れたのは離婚後間もない23歳のとき…