小幡 時代は相当変わってきたと思っています。たとえばゲーム=悪も、ひと昔前の価値観じゃないでしょうか。今はほかの人たちと協力しないと勝てないゲームのほうが人気だし、僕自身ゲームを通してコミュニケーションを学びました。僕が立ち上げたゲームの家庭教師「ゲムトレ」も、どうしたらうまくいくかを自分で考えて、ほかの人と協力しあって、勝てば自信もつく。僕は囲碁も好きですが、学べることは変わらないと思います。

高濱 ゲーム漬けはねぇ、やっぱりその子によるという気もするけど。ちなみに不登校時代、読書体験はなかったの?

小幡 うーん、ほぼないですね。ゲーム以外では、テレビのクイズ番組から雑学を、大河ドラマから歴史を、マンガからは決してあきらめない気持ちを学んだと思っています。本は、起業したときにビジネス書を読んだくらいかな(笑)。

高濱 僕も大好きだったマンガがあったけど、そのころは“マンガばっかり読んでないで勉強しなさい”が普通だった。でも今やマンガに対する評価はだいぶ違うよね。これからはゲームで何かをつかむ世代が登場してくるのかもしれないね。

◯小幡和輝さん
ゲムトレ代表取締役社長、#不登校は不幸じゃない発起人。1994年和歌山県生まれ。小学生から約10年間の不登校を経験後、高校3年で起業し、高校生社長となる。以降、SNSのプロモーション企画や地域活性イベントなどを行い、世界経済フォーラムが選ぶ世界の若手リーダー「Global Shapers」に認定される。 2019年には日本初、ゲームのオンライン家庭教師「ゲムトレ」を立ち上げた

◯高濱正伸さん
花まる学習会代表。1959年熊本県生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学に入学。1990年同大学院修士課程修了後、1993年に「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を重視した、小学校低学年向けの学習教室「花まる学習会」を設立

(構成・文:篠原麻子)

※「AERA with Kids2021年春号」より

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2021年 春号 [雑誌]

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篠原麻子
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