思い切って、自分に対してどう思っているのか友だちに聞いてみるというのはどうだろう? 「きつい言い方されてつらかったんだけど、わたし何かしちゃったかな?」って。正直で誠実な気持ちがいちばん届くって僕は思う。でも、その友だちに話しかけづらいなっていうときは、無理はしなくて大丈夫。口で言うのが難しいときは手紙に書いて伝えるっていう方法もあるね。

■「苦手だ」って口に出して言わない

 あと、今から伝えるのは僕が大人になってから身につけた、とっておきの手段なんだけど……いっかい忘れる! 「友だちの口調がきついな、苦手だな」って思うこともやめて忘れるの。「忘れる」の積極的な使い方だよ!

 っていうのもね、僕が思う、苦手な人やものと向き合うコツがあるんだ。それは、「苦手だ」って口に出して言わないこと。たとえば君が口調のきつい友だちのことを別の友だちに「あの子口調がきつくて苦手なんだ」って言ったとするよ。そうするとどうなると思う? ひとたび言葉にしてしまうと、「苦手だな」って気持ちがどんどん大きくなってしまうんだ。苦手だ、ってほかの友だちに言ってしまった以上、仲良しに戻るのも気が引けてしまう。場合によっては、苦手な友だちの悪い情報をほかの友だちが集めてきちゃうこともある。「〇〇ちゃん、さっきこんなこと言ってたよ」とかね。実際、僕も「苦手だな」ってほかの人に言ってしまった相手とは、うまく話せなくなって関係が元に戻らなかったことがあるよ。

 だからきついな、苦手だな、って思っても口には出さず、忘れるの。名づけて「長い目で見る(意味:今の状態だけで決めつけないで、急がず時間をかけて先を見守る)作戦」! 10年後や20年後、今のクラスメートとは永遠に“同級生”っていう関係が続くんだ。もし今すぐ前みたいに仲良しに戻れなくても、何年後かに元通りの関係に自然と戻ることができるかもしれない。人の気持ちって一瞬一瞬変わっていくもので、友だちの態度も今だけかも。

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