同じ意味の言葉でも、タイミングや言い方次第で相手に届くかもしれない。友だちが何かに集中しているときとか夢中になっているときって、“聞く耳バケツ”が他のことで埋まって、いっぱいいっぱいなのかも。友だちの“聞く耳バケツ”の中身がカラのとき、たとえば帰りの会が終わってほっとしているときとかに「あのときのあれはこうしたらいいと思うよ」って話してみるのはどうだろう。
■どれだけ一緒の時間を過ごしていても気持ちの“ズレ”が生まれる
僕は奥さんとずっといい関係でいるために、1カ月に1回、ふたりで話す時間を作っているんだ。お互いが普段思っているけど言えないことを伝え合って、聞き合うんだ。家族とかクラスメートとかお仕事仲間とか、どれだけ一緒に過ごしている相手だったとしても、ひとりひとり違う人間だから、思っていることや感じていることがズレてくる。いつも一緒にいる相手に対して“慣れ”が出てきて、礼儀を忘れてしまったりもするね。
でもそれに気づくのって難しいよね。僕は前に、友達から「ダイエットをしたい」っていう相談を持ち掛けられて、「よし! じゃあ食事制限と運動だー!」と張り切ってかなり厳しい内容を課したことがあるんだ。その友だちは、はじめは楽しくやれていたんだけど、だんだん嫌になってきちゃって、途中から「やめたい」って思うようになっていたみたい。でも僕はそんな気持ちに全然気が付かずに、さらに厳しくしてしまっていたんだ。結果的に、それが原因でケンカになって、仲が悪くなってしまったんだよね。ダイエットを成功させたいという最初の思いは一緒でも、だんだんズレてきてしまっていたんだ。
人の気持ちや考えっていうのは日々変わるから、よしおがちゃんと確認していれば良かったと今ではすごく反省しているよ。そのときに、身近にいる人ほど、思っていることを確認しなきゃいけないな、って思ったんだ。もしかしたら君も、どこかで友だちとの気持ちに距離やズレが生まれてしまったのかもしれないね。
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