安浪:お金も時間も投資してきました、とおっしゃっていますが、やはりここをいちばん親は引きずってしまうんですよね。「あれは何だったのか」と。

■終わった今こそ、中学受験を選択した原点に返ってみて

矢萩:そもそも幸せに生きるため中学受験を選択したはずなんですよね。受験の最中はそんなことを言っていられなかったかもしれないけれど、終わった今こそ、原点に帰ってみましょうよ。幸せで楽しい未来をつくるために、今できることをやっていこう、って思いますね。

安浪:お母さんとお父さんとだと、やっぱりお母さんの方が引きずるな、と見ていて思います。

矢萩:そうですね。お父さんの方は切り捨てちゃう場合が多い。「お前はこれぐらいのやつだったんだな」みたいな。次の受験で頑張ってくれるんだろうな、見せてくれよお前の根性を、みたいな方向に行っちゃう人もいる。

安浪:そういうお父さんは変わらないから、お母さんが子どもに寄り添ってあげるしかない。

矢萩:そうそう。僕ら第三者からしてもそういうお父さんの家庭では特にお母さんと子どものケアが大事。そこでお父さんを否定しても仕方ない。お父さんの気持ちを代弁しつつ、どうしたらみんながハッピーになれるか、というのを第三者的に話します。

安浪:あとは、本人が乗り越えていく年齢に入っていくので、そっちの強さを信じてサポートしていくことですね。

矢萩:お母さんたちはこの時期、ママ友付き合いがつらい、って言っている人もいるよね。

安浪:そういう表面的なママ友とは特に話さなくて良いと思います。話す必要もない。

矢萩:話すことが苦痛ならその会に所属している意味がないですしね。

安浪:第1志望に合格しても、“我が世の春は合格してから入学するまでの2ヶ月だった”というご家庭もあります。入学してから授業についていくのが大変、中学受験の時より勉強がつらい、という話はよく聞きますからね。

矢萩:あとは子ども自身の気持ちが荒れてしまっている場合は注意しないと。

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