■欠点穴埋め式に習い事を詰め込んだ長男
第1子である長男には先の読めない不安が強く、また育てる私自身の自己肯定感がどん底すぎて、常に基準が「自分のようになってほしくない」でした。さらに長男には、赤ちゃんの頃から少しまわりの子と違うような気がして、当時は「育児本の『平均』『標準』に合わせにいかなくては」という強迫観念に襲われていました。
何をしても可愛かった乳児期を経て、3歳ごろからは常に足りないところばかりが目につくようになってしまった私。
利き手がどちらかもあやふやで、運動系の感覚がずいぶん鈍いみたい。
おとなしくて受け身で、このままだと将来いじめられてしまうんじゃないか……。
全身運動がいいと聞けばスイミングやサッカーをやらせてみたり、利き手が決まらないのであれば左右ともに使って脳に刺激をとそろばんをやらせてみたり、運動が苦手ならせめて学習系でと、英語などを習わせてみたり……。どれ一つとして、私が期待しているような結果にはなりませんでした。うまくいかず諦め、また見つけてきてはやめるの繰り返しでした。
一方、年齢が上がって本人の意思で始めた茶道や書道、プログラミングはそれなりに楽しめました。でもこれらも、幼少期に自己肯定感を奪われた長男は、少し難易度が上がるともう嫌になってやめたいと言うようになってしまったんです。
いろいろやってみて、いま小学5年生の彼がずっと楽しんで続けてこられたのは野球と書道だけ。
左で字を書く長男には難しいかと思っていた書道は、本人がやってみたいと言うのでママ友の書道教室に通わせてもらったところ、驚異の集中力を見せ、右手で伸び伸びとした作品を生み出していたんです。鉛筆にはない筆の柔らかい感触が彼には合っていたらしく、リラックスできてこれはいい発見でした。5年生になってどうしても塾の日程と合わず一旦やめさせざるを得なくなったのが悔やまれます。
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