もう一つはコロナ禍の学校の対応。これは主に夫が中学受験に賛同するきっかけになったのですが、うちの小学校ではコロナ禍の休校中、オンライン授業が全くなく、実験的に行われたオンライン朝の会はたったの2回、その後せっかく整えたインフラが活用されないまま漫然と月日が過ぎていました。公立でも学校によっては違ったのかもしれませんが、スムーズにオンライン授業に移行し自宅学習が進んでいく私立校の話を知人から聞いているうちに、やはり緊急時の対応、適応の早さは私立だな、と確信したのでした。

 そして……これがもう、これまでの習い事でさんざん学んだんじゃないのか、と自分の頬をビンタしたくなるんですが、やっぱり何か一つ成功体験を積ませて自信をつけさせてあげたい……という「よかれと思って」が発動しちゃったんですよね。それこそ塾でよい先生に出会えたら勉強が面白くなったりして? 勉強で自信がついたら学校も楽しくなるのでは? なんてね。

 あくまで長男にとって最善の環境探しが目的。決して難関校や見栄のための受験ではなかったので、私たちもそこまでの覚悟がなかったのは事実です。

 ちなみにわが家、夫は小中まで公立で、もともとは中学受験不要派。私は小中一貫校出身で、受験自体は良し悪しあるけど一定のフィルターを通った家庭でまとまる安心感は長男には合うだろう派でした。小学校受験の半分は運なので、中学受験という特殊な経験は両親ともにしておらず見通しが甘かったのもよくなかったですね。

 そんなわけで始まった塾通いでしたが、生活は一変しました。夜は遅くなり弟たちとはどんどんすれ違いに。長期休暇もほぼ毎日塾になり、家族で出かけることもほとんどできなくなりました。まだ夜弁当が必要な学年ではなかったけど、この時点で(こ、こんなに大変なのか……)と不安が湧き出してきました。

 それでも期待していたような、本人にとってのいい時間になっているのなら親も一緒に頑張れますよね。

次のページへイライラが増えてきた長男
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