どこかで一度は目にしたことがあると思いますが、中学受験のプロが教える「中学受験に向いている子」はだいたいこれ。

・新しいことを学ぶのが好き、好奇心旺盛

・自分からチャレンジしたいと意思表示している

・負けず嫌いでテストをゲームのように楽しめる

 結論から言っておくとこのアドバイスは適格だと思うし、中学受験を考え始めたとき、わが子に一つも当てはまらんなーと思ったらすぐさま回れ右でいいと思います。

 中学受験するなら小4から塾に、でも正直4年生で自分の人生計画を主体的に考えたり決めたりできる子なんてほんの一握りですよね。だからこそついこう思っちゃう。

「今は嫌々でも始めてみたら楽しくなるかも」

「授業が面白ければぐんぐん成績が伸びてやる気も出るかも」

 これが地獄への第一歩な気がします。もちろんこういう子も中にはいるでしょうが、友達が行くから行ってみたい程度でもいいから、本人のモチベーションがちょびっとでもなければ、時期に縛られずいったん様子見してもいいのでは、と思います。

 長男は上記のどれにも当てはまらず、本人にも全く受験や塾への関心がない状態でした。それでも受験しようなんて無謀なことぐらいやる前から分かるでしょうに……でもね、うちにはうちなりの悩みがあって、その解決の糸口になればと考えての選択でした。

 わが家が中学受験を考え始めたのは長男が小4になって少し経ってからのことでした。きっかけの一つは新しいクラスが荒れていて静かな環境を好む長男が毎日ストレスを感じている様子だったこと。

 たまたま同じ地域に生まれ育ったというだけの共通点で所属先が決まる公立中よりも、長男の性格的には校風や理念を理解して共通の価値観を持った人が集まる場所に行ったほうが快適な居場所を作れるのでは? おとなしく中学の内申点に期待できないなら高校受験のない中高一貫校のほうが向いているのでは?

 そんなおせっかいな感情がむくむくと私の心に湧いてきたのがこの頃でした。 

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