でも、いざ本番になると、悲しいぐらいに校歌の声が小さくなります。というのも、紅白どちらの組が勝ったかの結果発表のあとに歌うからです。負けた組の子どもの中には号泣する子どももいます。とても校歌を歌う気持ちになれません。そんな子どもたちの気持ちは十分にわかるので、さすがに負けた子どもたちに「しっかり歌おう」とは指導できないのです……。

(文/松下隼司)

変化する小学校の運動会 「半日開催になってよかった」と現役教師が思うワケ
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松下隼司
松下隼司

1978年生まれ。奈良教育大学卒業。大阪の公立小学校に勤める現役教師。2児の父親。文部科学大臣優秀教職員表彰を受賞。令和6年版教科書編集委員を務める。著書に絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)、『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)、教育書『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』(東洋館出版社)、『教師のしくじり大全 これまでの失敗とその改善策』(フォーラムA企画)などがある。教師向けの情報サイト「みんなの教育技術」で連載を持つほか、Voicy「しくじり先生の『今日の失敗』」でパーソナリティーを務める。

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