私は小学生の子どもが児童席で足を組んで競技や演技を見ている姿にも違和感があるタイプです。無礼だと思ってしまうのです。「個性尊重」「自由」な令和の教育、令和の子どもたちに、教師としての自分が合わなくなってきているのかもしれません。子どもの姿を変えるよりも、教師として子どもの捉え方を変えていかないといけないのかもしれません……。だから最近は、「考えてね」「できるだけ」とやんわりとした言葉がけをするようにしています。

「立って応援はNG」の理由

「リレー」や「かけっこ」など走る競技のときは、立たないで座って応援するようにも指導しています。

 特にリレーのときは、教師が指導しないと立って応援する子どもが出てきます。団体競技だから順位が気になります。応援にも熱が入ります。

 でも、トラック内で立ち上がって応援すると、これから走る子どもが走っている友だちの姿を見えなくなってしまいます。応援する子どもと走っている子どもの姿が重なってしまうからです。そうなると、コーナートップのときに、自分がバトンゾーンのどのコースに立てばいいかわからなくなってしまいます。

 保護者も、走るわが子の姿が応援する子どもの姿で見えなくなってしまいます。保護者にとっても悲しいです。

 つい立って応援したくなる子ども心は十分にわかるのですが、これから走る友だちのことや、トラックの外で見ている人のことを考えて、座って応援するように指導しています。だから、リレーの練習のときは、バトンゾーン近くで指導する担当と、トラック内で座って見るように指導する担当の二手に分かれます。

閉会式の校歌の指導は難しい…

 運動会前の全学年での予行練習では、開会式や閉会式の練習もあります。閉会式の予行練習では、得点発表やその後の校歌を歌う練習をします。「紅組が勝ちました」「白組が勝ちました」と両パターンの練習もします。予行練習は、校歌も大きな声でしっかりと歌うことができています。

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