――タブレットによる漢字の宿題も増えています。手が真っ黒になるまで漢字を書く、という親世代のような宿題は減ってきているのでしょうか。

 漢字を何回も何十回も書く反復練習が好きではなかったという子どもはたくさんいたと思います。記憶を強化するための必要悪みたいなものです。でもそうやって記憶を強化することが、今の自動変換の時代ではそれほど意味をなしてきていないと捉える人も増えていると考えられます。

 タブレット上に書く漢字の練習は手書きの質を重視する人にとっては物足りないかもしれませんが、漢字を記憶するという観点でいえば十分機能します。タブレットの機能もだいぶ改善され、紙に書いている摩擦のような感覚が伝わるデジタルデバイスも出ています。これから学校教育に広がることを期待しています。

〇取材・文/大楽眞衣子

「漢字」が苦手な子に効果的な学習方法は? 「大学入試の書き取り問題減少、今後は読めればOKになる可能性も」
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大楽眞衣子
大楽眞衣子

ライター。全国紙記者を経てフリーランスに。地方で男子3人を育てながら培った保護者目線で、子育て、教育、女性の生き方をテーマに『AERA』など複数の媒体で執筆。共著に『知っておきたい超スマート社会を生き抜くための教育トレンド 親と子のギャップをうめる』(笠間書院、宮本さおり編著)がある。静岡県在住。

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