『お金・学歴・海外経験 3ナイ主婦が息子を小6で英検1級に合格させた話』(朝日新聞出版)が話題を呼んだタエさん。息子のキリさんは英語をやる一方で、小学生時代から算数の先取り学習をし、小学校卒業時には高校「数学Ⅰ」まで終えたといいます。その後高校では国際物理オリンピックの代表に選ばれるなど、理数方面の学びへの興味を深めて東大推薦入試に合格しました。英語力という土台を持ちながら自分の学びの方向を決めたきっかけや、当時の思いについて、母親のタエさんと20歳を超えて大人になった息子キリさんにうかがいました。 ※前編<小6で英検1級、推薦で東大合格した息子が語る、母の“英語子育て”「勉強させられていると感じたことは一切なかった」>から続く

MENU 「数字で遊ぶのが楽しい」という感覚があった 物理も数学も同じトーンで続けていた 母は「俺のことが世界一好きな人」

「数字で遊ぶのが楽しい」という感覚があった

――3歳になる前から始めた英語は「言葉という道具」と思っていたタエさん。英語以外に力を入れていたのが算数でした。幼稚園年長から学習漫画やネット上の無料のプリント、市販のドリルなどを活用しながら先取り学習を進めてきました。

タエ:幼児期は日常生活の中でも算数の思考を刺激する声かけや遊びをけっこうしていたんです。友だちが来ておやつを分けるときに「2つずつ渡していくね。いくついるかな? 3人いるから1、2、……6個だね」とか。

キリ:生活の中で数に興味をもって遊ぶことはあったと思うけど、記憶に残っているのは『数の悪魔』という本です。数字で遊ぶのが楽しいという感覚をより強めたのはあの本だった。

タエ:だからといって「算数がズバ抜けてできる」というわけではなかった。パズルを解くのはそんなに得意でもないし。

キリ:うん、自分の考えに沿ったロジックでしかできない。面白いっていう漠然とした感覚って、別に自分が得意なジャンルじゃなくてもあるじゃないですか。そういうのに近い感覚でした。

タエ:算数の先取りは小1から順番にやって終わったら次……と進めてまして。小5のときに中学の数学が終わり、高校の「数学Ⅰ」の青チャート(『チャート式基礎からの数学』)を始めたんです。もちろん全部がスムーズということはなくて、苦手な単元があれば他の教材も与えてましたね。「数学Ⅰ」の青チャートも小学生には難しくて一旦やめたんですけど「なんでできないんだろう」と思ったときに、これまで簡単な中学レベルの問題しかやっていなかったからだと気づいて。だから、少しだけ難しい中学生向けの問題集を買ってきて、それをやってから再び青チャートに取り組むようにしました。

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久次律子
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