また、マンガの主人公が抱える部下の指導の悩みについても描きました。私自身の会社勤めは若いころの数年間ですが、後輩の育成と子育ては似ているのでは……というイメージからエピソードを膨らませています。

【マンガ】「あの頃の自分に伝えたいこと」を読む(全8枚)

頑張ってもどうにもならないつらさもある

――おぐらさんご自身は、更年期とフルタイム勤務、育児のハードな日々をどのように乗り越えましたか?

 更年期という体の変化を迎えてからは、「今まで通り、頑張ればどうにかなる」という考えがガラガラと崩れていくのを感じました。実はそれがけっこうつらかったです。「今までは、頑張ればなんとかなっていたのに、それがなくなったら私はどうしたらいいのだろうか」と。

 私の場合、力を抜くとかほどほどにやることに対して「さぼっている」という罪悪感があり、それがしんどかったのですが、自分が老いていく過程に対して「ま、いいか、なんとかなるか」と思うことはとても重要なのかもな、と考えるようになりました。今はその意識を、頑張り過ぎてしまいそうなときの心のストッパーにしています。

【マンガ】「怒りっぽいのは更年期のせい?」を読む(全8枚)

体の変化と向き合うことで人生のビジョンが見えてくる

――「まさかの更年期編」は、読者の方からの感想が特に多かったそうですね。

  更年期の話は、友人・知人と語り合うにはまだまだ敷居が高いのかもしれませんね。私も、自分自身の悩みを描くことで、改めて冷静に考えられることが多くありました。「更年期って一体何? どうしたらいいの?」と思っている方にぜひ読んでほしいです。

 更年期の症状に関しては、やはり専門家に相談するのがいいんじゃないかと思います。私はそれを端折ってしまってちょっと後悔してます。

――これから更年期を迎える世代のパパ・ママにメッセージをお願いします。

「更年期」や「老い」といった体の変化は、多かれ少なかれ誰にも訪れるものですから、なんとなくでも「年をとる」みたいなことを日々ぼんやりと考えておくといいかもしれません。日々、子育てに悩んでいても、仕事でへとへとでも、いつかは年を取り、そして命がなくなっていく。それってちょっと現実味がないのですけど、少しでも頭の隅に置いておくと、「自分がどういう人生を送りたいか」がわかってくる気がします。

※こちらのインタビューはメール形式で行いました。

(構成/布施奈央子)

【マンガ】「ホットフラッシュ到来」「男性の更年期事情」など、おぐらなおみさんのマンガを読む(全32枚)

子育てでミスを連発…受診したらADHDグレーゾーンだった ママ漫画家に聞く、特性を理解して「変わったこと」とは
働きママンまさかの更年期編 ~ホットフラッシュをやりすごせ! (はちみつコミックエッセイ)

おぐらなおみ

働きママンまさかの更年期編 ~ホットフラッシュをやりすごせ! (はちみつコミックエッセイ)
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布施奈央子
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