子育てをきっかけに自分がADHDグレーゾーンであることを知った、はなゆいさん。その経験談をまとめたコミックエッセイ『ただのぽんこつ母さんだと思っていたらADHDグレーでした。』(オーバーラップ)が同じ悩みを抱える方を中心に反響を呼んでいます。当事者でなくても育児や家事、仕事に忙しい人なら共感できるエピソードや、対策のヒントが満載です。はなゆいさんに、自身の発達特性を知ってよかったことや、家族と一緒に実践している対策法をお聞きしました。
【マンガ】ADHDグレーゾーンと診断されるまでと診断後(全28枚)子育てでミスを連発…もしかして私、ADHDかも?
――子育ての中でのうっかりミスや忘れ物、幼稚園での悩み、ママ友の言葉に背中を押され受診したエピソードなど、はなゆいさんがご自身の経験を「漫画にしよう」と思ったきっかけは?
心療内科で診断を受けたあと、仲の良いママ友たちにADHDグレーだったという話をしたところ、「どんな検査をするの?」「自分もADHDかもと悩んでいて……」など、予想外の反応が多かったんです。
私は以前からうっかりミスが多く、そのたびに周囲の人に助けてもらってなんとかなっていました。そんな私が自身の経験を紹介することで、誰かの気持ちを支えたり、参考になったり、微力ながらお役に立てるかもしれないと思い執筆することにしました。
受診する前の私は、困り事が起こると自分を責めて落ち込んで……のループを繰り返していましたが、実際に診断が出てからは、「この困りごとは自分の特性のせいなんだ!」とわかり、意識が変わって積極的に対策を立てようと行動するようになりました。
【マンガ】「ママ友の言葉に背中を押されて受信した話」を読む(全4枚)
重要なのは診断じゃない。「困りごとの対策」
――ADHDグレーと診断されて、どう感じましたか?
私はグレーという診断でしたが、診察を通してADHDかどうかをはっきりさせることより、「今ある困りごとをどう対策するかが重要なのだ」と理解するようになりました。なぜなら、ADHDではないと言われたところで、うっかりミスや勘違い、自分が感じている不便さは何も変わらないから。結果はどうあれ、対策が重要だなと考え方が変わりました。
ただ、今まで自分の個性だと思っていたことが「ADHDあるある」だと知って、拍子抜けしましたね。同時に、個性が強いタイプだと思っていたのに〜と(笑)、若干寂しいような複雑な思いもありました。
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