「アタマジラミは昔のもの」「毎日シャンプーをしているから大丈夫」――そう思っていませんか? 実は、アタマジラミはどんなに清潔にしていてもうつる身近な寄生虫。今も小学生の間でよく見られます。かゆみが生じると、勉強に集中できなくなったり、気になって心の負担になったりすることも。フケと見分けがつきにくく、気づかないうちに広がることもあるため、早めの対処が欠かせません。琉球大学病院皮膚科の山口さやか先生は「人ごとだと思わず、正しい知識を持つことが大事」と話します。 ※後編<沖縄のアタマジラミは9割以上が「耐性化」! 専門医が注目する、駆除する負担を減らす「新薬」とは>に続く

MENU フワッと髪の毛が触れただけでうつることも アタマジラミの卵は、くしで物理的に取り除く 親のアタマジラミの見落としに注意!

フワッと髪の毛が触れただけでうつることも

――小学校から「アタマジラミに注意」のプリントが配布されることがあります。アタマジラミはどのようにうつるのですか?

 基本的には頭と頭の接触ですね。そんなにずっと頭をくっつけていなくても、友達の髪の毛がフワッと触れただけでもうつることがあります。アタマジラミは羽のない虫で、飛ぶことはできませんが足が速く、あっという間に隣にいる人の髪の毛にもぐりこみます。顕微鏡で見ると、アタマジラミの指先には鋭い爪がついていて、しっかり髪の毛にしがみついて簡単には離れません。水中でも落ちないため、毎日シャンプーをして清潔にしていてもうつるのです。

 夏のプール開きの前に見つかることが多いのですが、アタマジラミに季節性はなく、寒い時期でもうつります。

 アタマジラミというと「衛生状態が悪いから」というイメージがあるかもしれませんが、それは誤解です。だれにでもうつる可能性があります。恥ずかしいと思って隠したり、いじめの対象になったりしないか心配する人もいるのですが、正しい知識を持ってほしいですね。

――子どもの頭にアタマジラミがいないか、家庭で調べる方法を教えてください。

 アタマジラミが繁殖して頭皮から吸血すると、強いかゆみが生じます。お子さんが何度も頭をかいていたり、学校から注意喚起されたりした時は、髪の毛をかきわけてチェックしてみてください。アタマジラミの虫体はすばしっこくてなかなか見つかりませんが、卵はすぐにわかります。髪の毛の根元近くに白っぽい粒のようなものがたくさん付いていたら、卵の可能性が高いですね。特に、耳のうしろあたりを好むので、念入りに探してください。

アタマジラミの卵がついた頭髪(山口先生提供)
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越膳綾子
ライター 越膳綾子
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