成長途中の子どもの下着を選ぶ際に、母と娘で意見が食い違うこともしばしばあるかもしれません。読者から寄せられた質問について、グンゼ株式会社でインナーウェアの商品企画を担当する菱田有里子さん、藤本和彦さんに教えてもらいました。

――娘が学校にブラジャーを着けていくことを嫌がっています。胸の部分が二重のキャミソールだけでは心配になるのですが……。何かいい対処法はないでしょうか。(小5女子の母)

 まずは何が嫌なのか、お子さんの気持ちを聞いていただくことが大切です。ブラジャーは女の子の体を守るものですが、心にも少なからず影響を与えます。大人の体に変化することへの戸惑いもあれば、周囲に気づかれることへの心配もあるかもしれません。クラスや学年でブラジャーを着けている女の子がまだ少ない場合は、周囲の目が気になるのは無理もないことです。

 もし、ブラジャーそのものに抵抗感があるとしたら、カップ付きのタンクトップやキャミソールなど、着慣れたインナーと同じようなデザインのものから始めるといいでしょう。あわせて、お母さんから「女の子の胸を守る大切なものだよ」「まったくおかしなことじゃないんだよ」と安心できるような言葉をかけてほしいですね。中学校に上がる頃には、周りの女の子の多くがブラジャーを着けるようになりますから、徐々に抵抗感は薄れていくでしょう。

 また、ブラジャーを着けることはよくても、体操着やブラウスから透けることが気になるというお子さんもいます。その場合は、ブラジャーの上に1枚、タンクトップやキャミソールを重ね着するといいでしょう。グンゼのアンケートによると、上半身のインナーを重ね着している女の子の割合は、小学4年生で50%、5年生で55%、6年生で60%(※)でした。ブラジャーの着用を始める年代の半数以上は重ね着をしているのです。

 どのようなインナーをどのように着用するかによって、小学生のお子さんの快適さは大きく変わります。インナーを選ぶ際は、できれば親子で一緒に売り場へ行き、お子さん自身の気に入ったものを見つけていただけるといいと思います。

※2024年8月調査。上半身のインナーの重ね着を「ほぼ毎日している」「たまにしている」とする回答を合わせた数。

(取材・文/越膳綾子)

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越膳綾子
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