嬉しかった知らない人からの褒め
――奥さまへの“褒め”は意識されていることはありますか?
そう言われると、最近あまりできていないかもしれないですね。もともとは妻にも褒めるタイプだったんですけど、子どもが生まれてから褒めづらくなってしまって。子育てのことで、妻に対してもっとこうすればいいのにみたいなマイナスの感情があると、ほかにプラスのことをやったときに相殺されてゼロになってしまうような。本当はプラスの面を見てそこを褒めるべきなのに。でも妻は器が大きくて、ちゃんと褒めてくれます。
――どんなことを褒められますか?
たまに子どもたちに勉強を教えると、「教え方が上手だね」とか。それも普段は妻が教えていて、僕はたまに教えるだけだから、穏やかにできているんですけど、ちゃんと褒めてくれますね。「ありがとう」っていう感謝の言葉もよく伝えてくれます。
――育児に関して奥さま以外に褒められたことはありますか?
あまりないですけど、1つだけ覚えているのは娘と電車に乗っていたときに、空いていたので娘が、自分が座っている隣に荷物を置いていたんです。途中の駅で人がたくさん乗ってきたので、「荷物をひざの上に乗せてね」って当たり前のことを言っただけなんですけど、近くに座っていたおばあさんが「お父さん、ちゃんとしてるわね」って。当然のことをしただけですけど、嬉しかったですね。
――お子さんたちにはこれからどんなふうに成長していってほしいと思いますか?
つきなみですが、健康で幸せで娘3人が仲良くいてくれたらそれだけでいいんです。僕としては自分のやりたいことや好きなことを理解できていることが幸せにつながると考えているので、自分のことを理解できている大人になってほしいなと思います。
僕自身は自分のことを理解しきれていないところがあるんですけど、悩みの根源ってそこにあると思うんですよね。じゃあどうすれば自分のことを理解できるのかと考えたら、人と話すこと、本を読むこと、いろいろな経験をすることという3つに集約されるのかなと。僕自身がそうだったので、子どもにアドバイスを求められたときには、この3つをすすめてあげたいです。
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(構成/中寺暁子)
室木 おすし,オモコロ編集部

