――例えばどんな点を褒めることが多いですか?

 人のために何かをしたとか、譲ってあげたとか、記憶力がいいとか、僕が純粋にすごいと思ったことですね。逆に親の都合だけでは褒めないようにしています。片づけがきちんとできた、早く準備できたみたいないことは、そのほうが親の都合がいいだけのような気もしていて……。もちろん自主的にやったら褒めますけど。あまり子ども扱いしないで、大人に対してだったらこういう対応をするんじゃないかということは、いつも考えていますね。

――確かに大人に対して「片づけができて偉い」とは言わないですもんね。

 これまで、子ども扱いしないほうが、伝わりやすいなと感じた経験がけっこうあったんですよね。

3人平等には褒められない

――お子さんが3人いると、“褒め”に差が出てくることはないですか?

 そうなんです。特に双子はどうしても比べられちゃうから、平等に褒めるように気を付けていたんです。でも「この子ばかりを褒めているから、褒めをセーブしよう」って思ったときに、それっておかしいんじゃないかと感じて。どうしたって平等には褒められないと気づいたんです。

 だから半年くらい前に子どもたちにはっきり伝えました。「すごいと思ったときは褒めるけれど、褒められなかった子は別に悪いことをしたわけじゃないし、悲しむようなことではないんだ」って。以前は「○○ばっかり褒めてる」って拗ねられることもありましたけど、そういうことがなくなりましたね。

――双子だと褒めること以外にも、差が出ないように気をつかう場面が多そうですね。

 だから親としては、それぞれ別の特技を身につけてもらえるといいなと思っているんです。いま長女はバトントワリング、次女はヒップホップダンス、三女はピアノをやっていて、習い事がバラバラなんです。最初のうちは一緒に習っていたものもあるので、あえてそうしたわけではないんですけど、結果的にはバラバラになってよかったなと思っています。同じことを習うと、どうしても優劣がついてしまって1人が褒められるとほかの子がイヤな思いをする状況になりやすいかなと。別々の習い事であれば、1人が褒められても「私は別のことをやっているから」と思えるので、気にならないですよね。

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