読書にハマるオンライン習い事「ヨンデミー」を運営する笹沼颯太さん。小学4年生のときに自身がハマる一冊に出会ったのをきっかけに、読書に目覚めたと話します。それからは小学生で年間5、600冊を読破する読書生活。そんな笹沼さんの少年時代のエピソードをもとに、あらためて読書の「すごいところ」について考えてみました。
【写真】笹沼さんが小4でハマった本はこちらすごいところ① 学校や家では見聞きできないことに、本で出合える
――小4からは年間5、600冊を読んでいたという笹沼少年。本は、おもにどこで選んでいましたか?
学校の図書室です。休み時間ごとに行く日もありました。はじめのうちはシリーズ本などを、それこそ読書友達と競い合うように読んでいました。
でも、図書室に一日に何度も足を運んでいると、どんどん制覇して「読むものがない」状態になっていくんです。それまでは物語ばかり読んでいたのですが、その棚を読みつくしてしまって「じゃあ、別の棚を見てみるか……」と、新しいジャンルに足を踏み入れる。そのときはほかに読める本がなかったので、そうするしかなかったのです。
でも、そうやって半強制的に、ある意味そのときは「自分の本意ではない」本を手にすることで、たくさんの新しい世界を知ることになったのです。理科系の本やギリシャ神話、読むものすべてが新鮮でした。
本に書いてあることは、学校や家庭では見られないことや体験できないことばかりです。子どもは基本的に学校と家庭の行き来をする生活なので、当時の僕にどれだけ本が「それ以外」のことを教えてくれたことか……。しかも、大人になった今でも、本からたくさんのことを教わっています。
すごいところ② 読む時期によって感じ方が異なる
―――笹沼さんのご両親も、読書家だったのですか?
両親とも本が好きでした。とくに僕の母が本が好きでしたね。
当時、僕はファンタジーが好きだったので、母は僕に小野不由美さんの『十二国記』シリーズをすすめてくれました。でも当時の僕には少々難しくて。2冊目を読み終えたときには一冊目の内容を忘れているという(笑)。それでも、家にあったシリーズはすべて、くり返し読みました。さらに、中高、大学生でも読み直したので、ここに至るまでに数えきれないくらい読んでいます。
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