でも、僕がそれでも読書をおすすめするのは、「学び」に役立つということも大きな理由なのです。

 大人の場合で考えてみましょう。今、「リスキリング」ということばがあるように、大人の学び直しが注目されています。しかし、学ぶことは、負荷がかかるので決して楽ではありませんよね。でも、「楽しむ」ことはできると思うんです。そこでまわりを見渡すと、読書を楽しんでいる人は、学びも楽しんでいるのです。

――なぜ読書が楽しめると、学びも楽しめるのでしょう。

 それは、本を読むという「手段」が大事なのではなく、本を読む中で得る新しい知識や考え方を楽しむ、受け入れる「習慣」がつくことで、学びを楽しめる姿勢が整うからだと思うのです。負荷があるものを、あえて楽しめる。運動習慣もそうだと思うのですが、大変なものを楽しめるかどうか。読書は、それを身につけることができるのです。

 そんな習慣が子どものうちからつけられるって、やっぱり読書ってすごい!と感じます。そして、その基本となるのが「楽しい!」気持ち。これは、子どもも大人も同じなのです。

(取材・文/三宅智佳)

「東大生は小学生時代に何を読んでいた?」と聞かれたのを契機に東大在学中に起業 “24歳”読書教育のプロに聞く
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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「ヨンデミー」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る。著書に『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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