う大さんは、当時ものすごい量のネタを作っていたよ。WAGEでは多いとき年間6回くらい単独公演をやっていて、そのために毎回5本のネタを仕上げていた。ボツになるものも多いから、本当にものすごい量を作っていたと思う。もの書きや、絵描きの人もきっとそうじゃないかな。最初はとにかくたくさん量をこなして、自分のスタイルを築いていったはず。

「量より質だ!」と言って、苦い経験をした人もよしおは知っているよ。よしおは小学生のころから野球をやっていて、高校時代も野球部に所属していた。一つ上の先輩たちは「練習時間が長すぎる。俺らの代は短期集中でやろう」って言って、練習をしていた。ところが引退するときに、「やっぱ練習時間だな」って言っていたのをすごく覚えている。

 先輩たちはよしおたちの代よりも「センスがある」と言われている人が多かったけど、その人たちが「やっぱり量だった、たくさん練習しないといけなかった」って言っていたんだ。プロ野球選手になる人たちからしたら、高校時代はまだまだスタートラインに立ったばかりくらい。まずは量をこなさないといけなかったんだろうね。

 つまり、まずは量をこなして、その後に「質」がついてくるんだと思う。ただ、量をこなすにも、目的を持って取り組むことはきっと必要なんだろうけどね。

集中力は徐々に鍛えられるもの

 勉強もきっと同じで、いろんなやり方を模索したあとに、自分にとって質のいい勉強法が見つかるんじゃないかな。ちなみによしおが大学受験のときにやっていたのは、薄い冊子の問題集をとにかく繰り返すという方法。これは高校受験のときに手に入れた技だけど、大学受験でも使えたんだ!

 暗記のときによく使っていた作戦は、一回で覚えられるものとそうじゃないものをわけて、一回で覚えられないものだけをノートにまとめる方法。言葉とかって、人によって覚えやすいものと覚えにくいものがあると思う。それをわけたのは、暗記がしやすかったな! あとは、人に教えるのも知識が身についたかも。

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