中学受験が今じゃないと思えば、無理にやらなくていい

矢萩:先にゴールを設定して、その目標に向かって逆算してやっていくぞ、となると、のんびり感はなくなるじゃないですか。どうしても時間に追われる構造になってしまう。だから、マイペースや、のんびりタイプの場合におすすめしたいのは、これからの人生で絶対に必要となるリテラシーや知識、論理的思考力を身につけながら、あえて一般的な中学受験のペースに合わせずに成長していきましょう、というやり方です。ちゃんと成長していって6年生の秋、あるいは冬の段階で、行きたい学校や行けそうな学校があるんだったら中学受験という選択肢を取ればいいと思うんです。今じゃない、と思えば無理にやらなくてもいい。大事なのはちゃんと成長して豊かな人生を歩むための生きる力を身につけていくことだと思うんです。

安浪:そうですね。さらに、ご相談者さんのお嬢さんはすでに6年生になっているので、今までどのような勉強のやり方をしてきたかですよね。大手塾に通っていて、塾のペースに合わせていくのがつらいということでしたら、そもそも「場」が合っていなかったことになる。

矢萩:のんびりさんの場合、大手塾のカリキュラムに乗っていくのはそもそも厳しいです。大手塾のカリキュラムっていうのは基本的にどこの学校でも合格できるようにするための網羅型なんです。過去問で出たところは全部網羅しましょう、という方針でテキストに詰め込んでいるので。そのペースに合わせて、さらに目標を先に決めて逆算するやり方だと、階段の段差が合わないっていうか、かみ合わないんですよ。そうすると本人の成長に対してマッチした学びにはならないことが多いです。

安浪:ただ、大手塾に通っていても親御さんが与えられた教材やテキストの中でうまく取捨選択して、必要なところだけをちゃんとやって、あとは過去問対策をしてうまく合格していく子もいるし、さまざまですね。

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